2019年04月22日 公開
2023年03月07日 更新
販売、マーケティング以上にAIと相性が良いのが、エラー探知や故障探知です。故障につながる特徴的なデータの変化を検知し、アラートを出すというものです。
工場の生産ラインや工作機械からは膨大なデータが収集できますが、それを人間の目で分析して故障を事前察知するのは至難の業。AI機械学習が活きる領域です。
製造機械には多くのセンサーが組み込まれています。それらのデータを蓄積し、学習用データとしてAIに食べさせます。正常なケースと、故障したケースで、センサーからのデータにはどこかに違いがあるはず。それらをAIで判別します。
こうした検知系AIモデル開発では、専門領域に特化したほうが予測モデルの精度を上げやすくなります。その代表とも言えるのが医療分野で、CT等の画像からがんの発見をサポートするAI、ある病気の可能性を判断するAIなど、AIを使った開発が日夜進んでいます。
たとえば、肺がんの患者と健常者のCT画像をAIに学習させ、ドクターが検知できないような画像の特徴から、腫瘍の特定や悪性度の確率を計算し、診断に用いるのです。
医療AIは診断や治療だけでなく、予防や健康管理にも使えます。アップルウォッチのような端末を使えば、生体データを収集できます。こうしたデータから、健康度をスコア化して示したり、何かの病気になる可能性を事前に伝えたり、生活習慣の改善をリコメンドするサービスを開発することも可能になるでしょう。
人間同士、あるいは人と会社などの「マッチング」にAIを活用する事例も増えています。就職、転職、結婚相手などを探す際に、AIが支援をしてくれるサービスです。
過去のマッチングデータや、個人・企業の候補者に対する好みのデータをAIに食べさせることでモデルを作ります。それにより、相手とフィットする確率を事前にマッチングスコアとして返してくれたり、自分を選んでくれる確率が高い相手を抽出したりできます。
マッチングでは、いろいろなパターンのAI活用が考えられそうです。たとえば婚活サイトなら、プロファイルやアンケートから、登録者をグループ分けします。「Aグループ」「Bグループ」など、数グループに分類できるAIモデルを作り、各グループが重視する条件を見える化します。年収、年齢、容姿、趣味、勤務地、現住所(近さ)など、グループ別に優先する項目は異なるでしょう。
次に、その条件に合ったマッチング候補をデータベースから抽出します。選んだ候補ごとにAIでマッチングスコアを計算し、それに従ってマッチングをしていけば、成約率は上がりそうです。
あるいは、検索や閲覧の履歴から、「似た人」(=気に入りそうな相手)をレコメンドする方法もあります。YouTube やアマゾンなどの「おすすめ」機能のアルゴリズムと基本は同じです。
更新:11月22日 00:05