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「日本一学生が集まる中小企業」が教える採用のコツ

2019年03月07日 公開
2023年03月10日 更新

近藤悦康(Legaseed 代表取締役)

「面接での採用」は今すぐやめなさい

ただ、優秀な人材を採用できない一番大きな問題は、採用時にあります。それが「履歴書、適性試験、面接」の3点セットでの採用です。

料理の「目利き」と呼ばれる人は、素材を目で見て、触って、鮮度や味を予測します。人材に関しても同様に、「目利き」をしなければなりません。

ところが、多くの企業は未だに、「履歴書、適性試験、面接」の3点セットでのみ判断しています。しかも、トレーニングを受けていない面接官が、感覚的な「勘」でジャッジしています。

「新卒の即戦力化」に力を入れている企業は、面接で人材を採用することはしません。理由は、簡単です。人は口先だけなら何とでも言うことができるからです。

もしあなたがプロ野球のスカウトだったら、「履歴書、適性試験、面接」のみで採用を決めたりするでしょうか。そんなはずがありません。何度もその人の元に足を運び、練習や試合を見てその動きをチェックするはずです。

つまり、採用前に一緒に働いてもらうこと。それが良い人材を得るためには必須なのです。

具体的にはまず、インターンシッププログラムの実施。そして、採用時には「課題提出」「グループワークの実施」「1か月以上の職業体験」を、人材採用の必須条件にするのです。

当然、それなりの時間はかかります。ただ、ここまでやるからミスマッチが生まれないのです。

 

学生は表面的な優しさより「成長」を求めている

「そんな面倒なことをして、学生がついてきてくれるのだろうか」と考える人もいるでしょう。

ここで重要なのは、いい人材ほど「成長」を求めているという事実です。つまり、いかに「学生が参加したくなる」「成長を感じられる」ようなインターンシッププログラムや職業体験プログラムを提供できるかが重要となります。

同様に内定者への教育も重要です。インターンシップを経て内定を出してから、入社までには半年以上の期間があります。その期間に内定者研修を行う企業はありますが、多くは知識のインプットのみ。できれば、お客様に了承を得た上で、実務にも関わってもらうことです。

ただ、内定者の住まいが遠方であったり、学校の授業の都合もあるため、なかなかそこまでできないこともあるでしょう。その場合、映像学習などを行うことになりますが、そこで大事なのが「定期的なフィードバック」です。

育成で最も大切なことは、適切なフィードバックを適時行うことです。良いことも、改善点もはっきりと内定者に伝えます。そのためには、入社前から育成役のスタッフをつけ、グループチャットでコミュニケーションを図り、定期面談も実施します。

さらに、内定期間中にできることが増えれば、内定期間中の報酬や、初任給も変動するようにします。頑張った分だけ報われるような評価の仕組みを入社前から用意するのです。

厳しいことを伝えて、内定者に入社までに辞められては困ると思われるかもしれませんが、そんなことはありません。自分の成長のために本気で関わってくれる先輩を持っている学生は少ないものです。

いい人材ほど「成長」を求めている。あなたの会社に良い人材を入社させるためには、その発想を根本に据えて、採用を見直す必要があるのです。

著者紹介

近藤悦康(こんどう・よしやす)

株式会社Legaseed 代表取締役

1979年岡山県生まれ。「はたらくを、しあわせに」を理念に、新卒採用支援を中心とした人事コンサルティング事業を手掛けるLegaseedを創業。年間1万人を超える学生が応募する企業となり、2020年度の楽天みん就調べ人気インターンランキングで総合20位、人材業界1位。これまで450社の組織変革を行い、延べ70,000名にセミナーを実施。「クローズアップ現代」「ワールドビジネスサテライト」「会社の星」などTV番組にも出演。
著書に、『日本一学生が集まる中小企業の秘密』『内定辞退ゼロ』『伸びている会社がやっている「新卒」を「即戦力化」する方法』などがある。

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