2019年01月22日 公開
2023年07月03日 更新
『非常識な成功法則』『2022-これから10年、活躍できる人の条件』など数々のベストセラーを輩出し、「日本のトップマーケター」にも選出されたカリスマ経営コンサルタント・神田昌典氏。
その神田氏が、コンサルタント活動20年目の集大成として満を持して送り出すのが、最新刊『インパクトカンパニー』だ。成熟業界、衰退業種の中小企業であっても、「インパクトカンパニー」となることで復活し、世界を目指すことも可能になる。
ただ、そのためには従来の常識を捨て、「未来に選ばれるビジネスモデル」を構築する必要があるという。では、「未来に選ばれるビジネスモデル」とは何か。新著から抜粋してお届けする。
ある時、立て続けにコンサル依頼が入った。どちらも100億円を超える成長企業だが、会社の雰囲気はまったく異なる。
一方は、社員同士の仲が良く、会社に感謝し、社長は社員のことを心から気づかっている。
もう一方は、社員同士が裏で悪口を言い、会社の悪口を言い、社長は社員のことを見ようともしない。
さて、どちらの業績が良かったか?
答えは、後者。
人が良い会社よりも、殺伐とした会社のほうが、圧倒的に好業績だったのである。
社員同士の仲が良いか悪いか、会社の雰囲気が良いか悪いか、というのは、実は、会社の収益性とは、あまり関係ない。
それどころか、人の良い社員が多く、社員同士の仲が良い会社は、低収益率に甘んじているケースが目立つ。
「人が良い会社の社員はひもじい」
――なぜ、この理不尽な現実が、起こってしまうのか?
もちろん、働いている人たちもそこで働くことに心から幸せを感じていて、しかも、十分に利益が上がっているという会社にできれば、それが理想だ。
しかしながら――ビジネスの収益は、ビジネスモデルで決まる。いくら従業員満足(ES)や顧客満足(CS)が高くなるよう経営者が努力しても、すでに賞味期限が切れたビジネスモデルでは、残念ながら、業績を維持することで精一杯。未来から選ばれるビジネスモデルを作り上げることが、経営者にとっての最優先の仕事である。
社員にとって居心地のいい会社を維持するために、ビジネスモデルの変革が後手に回ってしまえば、結局、年中休みなく忙しい会社ができあがる。社員は、みんなで仲良く疲弊してしまうことになる。
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更新:11月22日 00:05