2019年01月10日 公開
2023年03月10日 更新
若手に問題解決を任せると、おそらく、自分では思いつかないような解決策が出てきます。中には、これまでの経験と照らし合わせると、うまくいくとは思えないものもあるでしょう。
しかし、だからといって、提示された解決策を即座に否定するのはやめましょう。あなたが理解できないだけで、実際には非常に良い方法かもしれないのですから。それを潰してしまったら、老害以外の何物でもありません。
若手から解決策を提示されたら、何か言いたくなっても、1回、その言葉をぐっと飲み込みましょう。そして、その解決策にはどんなメリットがあるのかを聞き、目的や会社の理念からズレていないことを確認したら、多少納得がいかなくても、積極的に採用するべきです。
自分の力では解決できない問題を解決するためには、そうした度量を持つことが不可欠です。
自分の部署で会議を重ねても、どうやって解決すればいいのかわからない。そもそも、どこに問題があるのかさえもわからない……。そんなときに、自分たちだけでウンウンうなっているのは、時間のムダです。他の部署や社外の人の意見を聞いてみましょう。
問題の当事者ではない第三者は、客観的に物事を見ることができます。社外の人に対しては、企業秘密が漏れないように細心の注意を払う必要はありますが、多くの場合、良いヒントが得られます。
「忙しそうな人に相談したら、迷惑がられるのでは」「相手にメリットがないから、意見を求めても断られるのでは」と心配する人がいますが、遠慮することはありません。何か相手が困ったときに、今度は自分が助ければいいだけの話です。
それでも相手に迷惑だと思われたくないなら、相手に負担感のない形で意見を求めましょう。
例えば、わざわざミーティングを設けてもらうのではなく、電話やメールで軽く話を聞けばいいのです。そうすれば、相手も気楽に対応してくれます。
解決策に辿り着いても、いざ実行するとなると、「本当にこの方法でいいのだろうか」と迷ってしまう。そんなことも少なくありません。実行のために動く人数が多ければ多いほど、悩むことでしょう。
しかし、私は、間違っていてもいいから、素早く意思決定をして、実行するべきだと考えています。
なぜなら、問題解決をするうえで最も非効率な行動は、間違った解決策を実行することではなく、意思決定を先送りにして、何もしないことだからです。間違っていたら、それを修正することで、問題解決へと一歩前進できます。しかし、何もしなければ、絶対に前に進めません。
また、あらゆる物事のスピードが上がっている今、じっくり考えて正しい答えを導き出していては手遅れになることもあります。
近年、ソフトウェアやシステムなどの開発では、「アジャイル」と呼ばれる手法が主流になっています。不完全でもいいので短期間でベータ版を作り、顧客に使ってもらって修正点を見つけ出して、徐々に完成度を高めていく手法です。
かつては、長期間をかけて完璧な完成品を作り上げる「ウォーターフォール」型の開発が主流でしたが、今では、アジャイルで作ったほうが、良いものをスピーディに仕上げられると考えられています。
アジャイルの考え方は、IT業界に限らず、どの業界でも取り入れられるはずです。
更新:11月24日 00:05