2018年12月09日 公開
2023年03月14日 更新
ジャパネットの代表を退任し、通販番組に出演しなくなってからも、髙田氏は日本各地の隠れた名産品を紹介する『髙田明のいいモノさんぽ』というお散歩番組にだけは出演している。そこには「伝えなければ、ないのと同じ」という想いがある。
「日本各地には、とても素晴らしい名産品や技術があり、生産者、職人の方がいて、多くの人には知られていないけれどいいものがたくさんあります。皆さん、頑張って伝えようとされているのですが、なかなか伝わらずにもどかしい思いをされていることもあると思うのです。なぜ伝わらないのかというと、何を伝えるのかという『本質』が見えていなかったり、生産者だからこそ気づいていない部分があるのではないかと思うのです。
本質というのは、根本的には作った人の想いそのものです。だから本来であればその想いを共有すればいいのですが、作った人が気づかない本質もあります。例えば、カタログの最後に小さく表記してあることが、消費者には魅力的なポイントであることもあります。
人は何を求めているのか、という視点は作り手が見失いがちなところです。ですから私は、日本各地を訪れ、その土地や商品の持つ魅力を引き出すお手伝いをしたい。今は昔と違い、ものや情報が溢れている時代。価格やデザインだけでは、なかなか人の心に響かないのです。その商品が持つ物語や歴史、職人の方々の想いなど、ものが持つ本質を伝えていくことが使命だと思っています」
≪『THE21』2019年1月号より≫
≪写真撮影:江藤大作≫
更新:11月22日 00:05