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「家づくりの匠」の仕事の流儀は「一歩進んで二歩下がる」?(ルワンダ3)

2018年11月08日 公開
2023年03月14日 更新

<連載>世界の「残念な」ビジネスマンたち(39)石澤義裕(デザイナー)

ルワンダで、家を建てる

ルワンダ
毎朝掃除をする青年。手で雑巾掛けをするくらい丁寧なのに、落ちているゴミは拾いません。不思議です。

世界を放浪して13年と120カ国。

ルワンダで初めて、気配りの効く外国人に出会いました。

先月の記事「素晴らしき「おもてなしホテル」。資金ショートの訳とは?」参照
https://shuchi.php.co.jp/the21/detail/5603

この気配り青年の人柄と仕事ぶりに感動し、勢い余って古民家のリノベーションをコラボり2ヶ月。

ルワンダ人の仕事ぶりが見えてきました。

労を惜しまずによく働きます。

愚痴ひとつこぼさずに汗を流しますが、クオリティとメンタリティがあいまって、3歩進んで1歩下がる仕事術。しかしそれを一向に気にしない鈍感力。

不感症なの?ってくらい呑気で、とかく過敏なクレーマー体質の我々日本人には、彼らを眺めるだけでいい精神修行になります。

 

ルワンダ人左官職人の実力は「ガウディ級」?

「ん?」

キッチンの入り口で、施主が首をかしげています。

モルタルが乾いたばかりの入り口をよくよく見ると、壁が斜めになり、歪んで狭くなっていました。

玄関も同様で、軽くガウディ化しています。

翌日、左官屋を呼び出しました。

「あっちもこっちも曲がっているじゃないかっ!」

と、説教の100発でも爆発するかと期待して見ていたものの、そんな様子は微塵もなく

「こことそこ、曲がっているから直しといて」

…………。

えーーー、そんだけーーーっ?

だって、寸法違いですよ!

しかも壁が波うってるし!

やり直しですよ!

ありえないでしょう?

箸が転がっても文句を言わずにいられない日本人には、我慢のならぬ風景じゃありませんか。

天誅を下したい気持ちを丹田に沈め、左官屋の背中を眺めたものです。

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著者紹介

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)

デザイナー

1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。新宿にてデザイナーとして活動後、2005年4月より夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。

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価格(税込):780円

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