2018年10月02日 公開
2018年10月02日 更新
住み込み女中さん。鶏に残飯をあげるのはいいのだけれども、使い終わった髭剃りとか、空き缶は食べないと思いますよ。
軽自動車で地球半周中のアウトローです。
アフリカを流れ流れて、そろそろ2年。
世界を110カ国以上泊まり歩いて、初めて「気が効く」外国人に出会いました。
ルワンダ人の民泊オーナーです。
彼の気遣いは、「たかが」を「されど」に変える魔法。
会ってすぐに驚かされたのは、「たかが」鍵です。
民泊の鍵といえば、門、家、部屋の最低3つ。どれも同じデザインで、無印がデフォです。
たとえオーナーが西洋人であったとしても、どれがどの鍵かわからず、鍵穴に突っ込んでは悩む運試し。
加えて、マスターキーと予備を一緒にしたり、関係のない倉庫の鍵まで混ぜたりする迷彩ぶりも世界標準。
ベダ氏は、その鍵に小さな穴を穿ちました。
使う順番ごとに穴の数を増やしたので、暗い夜でも区別できる「されど」鍵。
一流ホテルの高級設備には100年経っても敵いませんが、彼の「されど化」は料理における隠し味です。日本以外で初めて、美味しいおもてなしを味わっています。
彼の持ち味は、掃除から生まれます。
彼みずからが客室を掃除して、部屋に立ち、あたりを見渡し、宿泊客の行動をシミュレート。
より良くするためにナニが必要かを考え、工夫をこらす。それが楽しくてたまらないのです。
PDCAならぬ、STAE(Simulation→Think→Action→Enjoy myself)。自分も喜ぶ顧客満足度。
「ドアを開けたら、鍵はどこへ置くのか?」
そんな疑問が、ドアの横の小さなフックとなりました。
お、こんなところにフックが!と鍵をかけたら、にやにやと満足顔のベダ氏。
「たかが」フックはキッチンでも活躍し、ライターをぶら下げるフック、ハサミ用のフック、おタマのフック。
あるべきものがあるために、あるべきところを用意する。われ思う故にモノありなんて甘いわけで、ベダ氏のSTAEは哲学的です。
更新:11月22日 00:05