2018年10月30日 公開
2023年03月14日 更新
次に、わかりやすく伝えるには、自分がその本の内容を的確に理解しなければなりません。
そこで意識してほしいのが、内容を要約しながら読み進める習慣です。「この項目では、章では、何が言いたいのか」を考えながら読むことで、書籍のエッセンスを簡略化して述べる力を鍛えることができます。
頭の中だけで要点をまとめるのが苦手だという方は、図解を使って、A4サイズの紙に内容を整理しながら読書してみるのもいいかもしれません。
例えば、ピラミッド式のフレームワークを使って、本の構造を分析してみる。すると、各章の主張や全体のメッセージが明確になっていきます。
要点をまとめる作業を通じて、物事を抽象化するスキルが身につくので、さらに深く書籍を理解できるでしょう。
この作業と同時に、重点的に読み直した箇所や気に入ったフレーズなどをメモしておくと、アウトプットする際に便利です。
アウトプットは必ず「自分の言葉」で!
かといって、内容を要約しただけでは、魅力的なアウトプットとは言えません。それはあくまで著者の考えであって、自分の考えではないからです。
大切なのは、「その本をどう読んだのか」「なぜ、感銘を受けたのか」を自分の言葉に置き換えて発信することなのです。
たとえば、本の内容を自分なりのひと言でまとめてみたり、自分で見出しやキーフレーズを作ってみる。理解した内容を再構成し、アウトプットするからこそ、知識が血肉になるのです。
このように、本に対する独自の見方を加えて発信するには、自身の経験や思想を深掘りしながら読み進める必要もあります。
骨の折れる作業ですが、それによって自分に対する理解も深まります。自ずと、得た知識をどう活かすかを意識して本を読むようになるはずです。
まとめると、本を読むときは「人に勧めるならどう伝えるか」、「何が言いたいのか」、「自分は何を感じ、学んだか」の三つを意識することです。
これだけで、今まで以上に深い読書ができるはずです。
『THE21』2018年10月号より
取材構成 吉川ゆこ
更新:11月25日 00:05