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Peatix「オンラインからオフラインへ、人を引き出したい」

2018年06月29日 公開
2022年10月25日 更新

【経営トップに聞く】岩井直文(Peatix Japan代表)

【連載 経営トップに聞く】第3回 Peatix Japan〔株〕代表取締役 岩井直文

Peatix

 

 趣味の仲間がいる人、また、好奇心や向学心が旺盛な人は、イベントに参加する機会が多いだろう。そんな人にとっては、もうPeatixはお馴染みの存在かもしれない。イベントの主催者と参加者を、インターネット上でマッチングするサービスPeatixがユーザーを増やし続けているのは、いったいなぜなのか? Peatix Japan〔株〕代表取締役の岩井直文氏に取材した。

 

ユーザーの声を徹底して聞く。
ただし、そのまま反映はしない

 ――Peatixを利用したイベントが多くなったように感じます。

岩井 そう言っていただけると嬉しいですね。イベント数が増えているのはわかっていても、実際のユーザー様にそう感じてもらえるのが一番嬉しいです。

 ――オフィスに来て驚きましたが、社員数が少ないんですね。

岩井 少人数で頑張っています。ニューヨークとシンガポール、クアラルンプールにも拠点を置いていて、グローバル全体で40人もいません。日本からサービスを始めたので、日本の社員数が一番多いのですが、それでも26人です。

 人が少ない代わり、パートナー企業との協力体制やテクノロジーを活用して、サービスを運営しています。

 ――サービスの開始が2011年5月。現在、どれだけの人が利用しているのでしょうか?

岩井 ユーザー数が280万人強、イベント主催者数が8万人強になっています。

 ――なぜ、そんなに伸びたのですか?

岩井 スタートアップでも大きく広告を打つ企業が少なくありませんが、当社は、広告も含めて、営業活動はごく一部しかしていません。

 イベント主催者がPeatixを使うきっかけは、8割が口コミです。そのうち半数は、Peatixを利用したイベントに参加したことで、Peatixを知った方です。そういった実体験や口コミでユーザー数が伸びていきました。

 ――口コミで広がるということは、ユーザーやイベント主催者の満足度が高いということだと思います。どのようにして、満足度を高めているのですか?

岩井 月並みな言い方になりますが、ユーザーの声を聞くことに尽きます。

 もちろんアンケートも取っていますし、カスタマーサポートにいただいた声も聞いていますし、ユーザーがどの画面をよく見ていて、どの画面から先に進まなくなっているのかなどのデータも分析しています。

 ただし、ユーザーの声を、そのまますぐに反映することはせず、慎重に検討しています。特に気をつけているのは、複雑化しないこと。できるだけシンプルなインターフェイスにこだわっています。

 というのは、日本だけでなく、世界での展開を前提にしたサービスだからです。様々な文化の人たちに使っていただくためには、シンプルでなければなりません。

 サービスを始めて2年目に海外に進出したのですが、すると海外の方から「わかりづらい」という声を多くいただきました。そこで、抜本的にデザインを変えることにしました。ニューヨークに拠点を置いているのは、優秀なデザイナーが多いのも理由です。

 今は特にアジアでのユーザー数の伸びが大きいのですが、それもインターフェイスがシンプルだからだと思います。

 

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著者紹介

岩井直文(いわい・なおふみ)

Peatix Japan〔株〕共同創業者/代表取締役

1973年、東京都生まれ。早稲田大学卒。東レ〔株〕で原価管理、ISO取得、輸出入ロジスティックスなどのオペレーション実務を経験後、2001年にネット業界への転身を目指し渡米。Amazon.co.jpでは家電・家庭用品カテゴリを立ち上げ、販売責任者に就任。ウォルト・ディズニーの国内EC部門責任者を務めた後、Orinoco〔株〕(現・Peatix Japan〔株〕)に入社。2013年より現職。アリゾナ大学エラースクールMBA。

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