2018年06月05日 公開
2018年06月05日 更新
微塵も押し付けない謙虚なバッタもん売りが活躍する一方で、小技を効かす連中もいます。
SIMカード売り。
「SIMカードと2GBのデータは、いくら?」
「250です」
250で間違いないね。TWO、FIVE、ZERO。
「はい、250です」
じゃ、それくれる?
「お買い上げありがとうございます。えーと、250……………………、ランドです」
しれっと付け足す、お隣、南アフリカの通貨単位「ランド」。
これで一挙に5倍の値上がりになりますが、まったくもってぼったくり感を感じさせない「ゆるふわ」感。
邪気のない目、静かな微笑み、無欲な言葉尻。
突っ込む隙がないのです。
沿道の炭売り。定価販売するとは、進化しています。
SIMカード売りは心の隙をついた小技でしたが、しょせんキャラに胡座をかいた営業です。深みがありません。
次に登場した両替屋は、熟練の技。まごうことなき職人芸。
1万数千円分の両替を頼んだら、厚さ3センチほどの札束になりました。
「どうぞお確かめください」
「慌てずに、ゆっくりと数えてくださいね」
わざわざ確認を促すとは、小狡そうなチンピラ顔ですが、意外にも信用を重んじる顧客志向です。
数十枚の札束を数え終えたら、お札が1枚足りませんでした。
「ごめんなさい。許してください。数え間違えました」
ホントにボクはバカですね、すみません。頭をペコペコ下げながら、札束を一度受け取り、不足分のお札を足す彼。
そんなに謝らなくても結構ですよ、君のことは信用していますから。両替してくれてありがとう。
「ご迷惑をおかけしました。これに懲りずにまたご利用ください」
なんてな挨拶を交わして別れた10分後、
「あああああーっっっ!」
絶叫する妻Yuko。
「お金が半分しかない!」
何度お札を数え直しても足りません。
ヤラレました!
たぶん、不足分のお金を足すときにお札を抜いたのでしょう。
マギー司郎氏を彷彿とさせるイリュージョンだったのです。
被害総額は7,000円以上!
けど、憎めないのです(嘘)。
アフリカでは珍しい自転車大国です
更新:11月22日 00:05