2018年06月03日 公開
2023年03月14日 更新
議会の決定を受けて、1792年には測量が始まっています。実測したのは、パリを通る子午線上のフランスの北端ダンケルクからスペイン領バルセロナまでの距離です。測量が終わったのは1798年ですから1メートルの長さを定める測量は実に6年もの歳月を要しました。この測量結果とダンケルクとバルセロナの緯度の違いから北極点から赤道までの距離が算出され、1799年には1mの長さを定めたいわゆる「メートル原器」が制作されています。
こうして1メートルの長さがようやく決まったわけですが、その普及は思うようには進みませんでした。その一つの要因は(今となっては意外ですが)メートルがデシ(10分の1)、センチ(100分の1)、ミリ(1000分の1)、キロ(1000倍)などの十進法を採用したからだと言われています。それまでのヨーロッパでは十二進法の方が一般的だったのです。
国際的な長さの単位の統一を目的としていわゆる「メートル条約」が結ばれたのは、測量から約100年後の1875年のことでした。
いずれにしても地球の1周がおよそ4万km =4000万mなのは1メートルの長さを決める際にこのような経緯があったからです。
(出典:『東大→JAXA→人気数学塾塾長が書いた数に強くなる本』)
更新:11月24日 00:05