2018年05月09日 公開
2023年03月16日 更新
「やりたいことをやるべき」というシフトは、部下指導に関しても同様だ。いかに会社の方針と、部下のやりたいことを結びつけられるかがカギとなる。
こう言うと「そんなの甘い。俺の若い頃は嫌な仕事も……」と考える人は多いはず。だが、「やりたいことをやってもらう」は甘えではなく、成果を出すための方策だと割り切るべきだ。
これまで、ビジネスマンの教育は主に企業が担ってきた。だが、OJTや社内研修だけでは、急速に移り変わっていく時代についていくのは至難の業。たとえば、AIやIoTなどに抵抗感を持つ人も、せめてその概念だけは理解しておかなくては生き残れない時代だ。
そのためには仕事を効率化し、勉強の時間を捻出せねばならない。また、好きなことをするからこそ、モチベーション高く効率的な仕事ができる。ここまで紹介してきたことはすべて、相互に繋がっているのだ。
現代の30代後半~40代~50代前半くらいのビジネスマンはおそらく、「価値観のはざま」にいる世代だろう。「やるべきときは残業してでも仕事を仕上げるべき」という価値観も、「時間が来たらスパッとやめるべき」という価値観も、どちらも理解できるはずだ。そして、だからこそ「どっちつかず」の働き方になってしまってはいないだろうか。
ここは思い切って意識を切り替えてもらいたい。この世代が変われば、上も下も変わる。すなわち、会社全体が「新しい働き方」に変わり得る。そうなれば、仕事はもっと楽しくなるはずだ。
たとえばその第一歩は、「週に1日、絶対に定時で帰る」でもいいし、「やりたいことについて書かれた本を1冊買う」でもいい。ぜひ一つでも実践してみていただきたい。
(『THE21』2018年3月号より)
更新:11月22日 00:05