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ミドル世代、「初めての転職」成功のポイント

2018年06月25日 公開

中谷充宏(キャリアカウンセラー)

1 転職サイト、エージェントに登録

転職活動をするにあたり、まずすべきは求人情報を探すことだ。そのためには、転職サイトやエージェントに登録することになる。ミドル世代に適したサイトやエージェントとは?

職業紹介会社で自分の市場価値がわかる

求人情報を探す際、初めにやってみてほしいのが、職業紹介会社にアプローチすることです。総合デパート型の「JACリクルートメント」や、ミドル世代に強い「プロフェッショナルバンク」といった専門型など、できるだけ複数に申し込みをしてみましょう。

職業紹介会社では、コーディネーターがあなたに合う求人を紹介してくれます。それだけではなく、応募書類の添削や面接日程の調整、内定後の年収交渉などにも対応してくれます。

ただし、職業紹介会社は求人企業から紹介料を徴収することで成り立っているため、「売れる人材」しか扱いません。転職市場で売れるキャリアがないと、登録すらさせてもらえず門前払いとなります。

ここでもし登録できなかったとしても、実はメリットがあります。それは、自分の市場価値が高くないという現実を客観的に理解できること。それをわかっているかいないかでは、転職活動に臨むうえでの心構えが変わってくるでしょう。

ハローワークの一機関である「中核人材確保支援センター」も、四十歳以上の管理職(課長以上)、専門職、技術職のみを対象にしているので、マッチすればチャンスは大いにあります。利用料は無料です。ただし拠点は現在、東京・飯田橋とごく一部のみ(今後は地方への展開を予定中とのこと)。地方の公的支援機関を見つけたい場合は、「中高年 就職支援 働きたい地域名」でネット検索してみてください。

 

ミドルに合った求人媒体とは?

次に転職サイトへの登録です。「リクナビNEXT」と「マイナビ転職」が有名で、ご存知の方も多いでしょう。両サイトとも求人数が豊富ですが、ミドル世代にマッチする求人は少ないのが実情です。

私が推奨するのは、「日経キャリアNET」と「Indeed(インディード)」、「ミドルの転職」(エン・ジャパン)の三つ。検索が容易で、キャリアを積んだミドル世代向けの求人が多数掲載されています。

各求人媒体の特徴を理解し、複数の媒体を並行して活用しつつ、自分に合った求人を探すのが転職成功のコツです。

 

■日経キャリアNET
ミドル世代を対象とした求人の多さが特長。たとえば「職種から探す」というページには「経営幹部」とあり、その下にCEO、COOなどの職種別に求人が格納されている。他にも「管理職」の配下に事業企画・経営企画、プロジェクトマネジャーといった、キャリアを積んだ人が対象の求人を多数保有。職業紹介会社が本サイトに乗り合いしていることも強み。登録しておくと、業種・職種限定のニッチな求人や非公開の求人を紹介してもらえる可能性がある。

■Indeed
イメージは「求人界のGoogle」。トップ画面の「キーワード」と「地域」を入力するだけで検索可能。求人掲載欄の画面右上にあるメールアドレス欄に入力し無料登録しておくと、自社サイトはもちろん他社サイトの新着求人も拾い集めて毎日メールで送信してもらえる。キーワードと地域の組み合わせは希望数だけ作成することができ、組み合わせごとに分けてメールが送信される。PCを閲覧し続けなくても、効率的な職探しができる、情報収集という点ではトップクラスに便利なサイト。

■エン・ジャパン「ミドルの転職」
常時2万件以上のミドル世代向けの求人を掲載し、年収600万円以上の求人も豊富に取り扱う。サイト上では「業種」や「こだわり条件」で大手・上場・外資系・グローバル企業といった優良企業を検索できる他、人材紹介会社ならではの機能も付加。「スカウトコーナー」に無料登録しておくと、キャリアに見合ったスカウトや非公開求人を受信できる。「転職アドバイス」内の記事には実際の転職活動に役立つコンテンツが盛りだくさんなので、合わせて活用したい。

 

2 WEBレジュメを入力する

転職サイトに登録するときには、WEBレジュメの入力が必須となる。紙の応募書類と違って項目も多岐にわたり文字量もたくさん入力できるぶん、初めての人は何をどこまで書いたら良いのか迷うものだ。Webレジュメに書くべきこととポイントを解説する。

「トリセツ」ではなく「スターターキット」

近年の転職活動は、転職サイトに登録するWEBレジュメの攻略が大きな鍵を握っています。紙面の応募書類と比較すると、項目も量も圧倒的に多いことが特徴です。

たとえば、ある大手転職サイトにおける職務経歴欄の「主な職務内容」は、1勤務先につき最大全角2000文字まで許容しています。3社の勤務経験があれば、6000文字は記述可能ということ。キャリアが重視されるミドル世代は、300文字以上が最低ラインです。

WEBレジュメの作成時、ミドル世代がおかしがちなミスが二つあります。

一つ目は、文章が長すぎるミス。「自分史」や「取扱説明書」を執筆するかのごとく、長々と記載しがちです。たとえば、職歴欄に新卒で入った会社の研修期間の内容から事細かに書いてしまう人が時々いますが、そこまで詳細な情報を書いてしまうと本当に重要なポイントが伝わりません。「トリセツではなくスターターキットを作成する」よう徹底しましょう。

 

英文レジュメを意識し実績をシンプルに記入

WEBレジュメの役割は、面接へのパスポートを得ること。文章作成能力も選考基準の一種ということです。「○年度に売上を○%アップさせた」など、実績ベースのみ記入する英文レジュメを参考に、シンプルに仕上げてみて下さい。「努力した」などの叙情的な表現は不要です。

二つ目が、改行ミスなどで読みづらい書類にしてしまうこと。一行の長さは全角35文字以内にするのが、一般的なWEB上のルール。WEBレジュメは紙の履歴書などと違って下にスクロールしていくものですから、全角35文字を目安に適宜、改行を入れて下さい。入力時間に制限がある場合もあるので、事前にワードで作成しておき、貼りつける方法も効率的です。

表や下線、枠や太字が使えないため、かっこ(【】、「」など)、記号(・や※など)をフル活用することも、読みやすくするポイントです。

 

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著者紹介

中谷充宏(なかや・みつひろ)

キャリアカウンセラー/社会保険労務士

1967年、大阪府生まれ。同志社大学法学部法律学科卒。NTT(日本電信電話㈱)等を経て、2004年にキャリアカウンセラーとして独立。マンツーマンで転職を支援する、日本トップクラスの「転職のパーソナルコーチ」。社会保険労務士として人事採用コンサルティングの経験も豊富。著書に、『人事の本音がわかれば転職面接は必ず受かる!』『30代40代のための転職パーフェクトガイド』(以上、秀和システム)などがある。

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