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「市場」に関する誤解とは?

2018年04月08日 公開
2023年05月17日 更新

<連載>間違いだらけのビジネス常識(3)船ヶ山 哲(レムズリラ代表)

船ヶ山哲

「ライバルがいる市場」にこそチャンスあり!

そもそも市場とは何か。簡単に言えば「販売者とお客のたまり場」です。

ビジネスを失敗させる人は、自分の企画やアイデアを過信するあまり、市場のことを考えずに突っ走る傾向があります。そして、ライバルが存在しないほど、「斬新な商品だ」と考え、勝てると思い込んでしまうのです。

実際は逆で、その企画やアイデアがビジネスになるかの判断は「ライバルがいるかどうかを知る」のが第一ステップです。ライバルがいるということは、そこに市場があるからです。

「ゼロから市場を生み出す」ことは、大企業であってもほぼ不可能です。

一つ、例を上げましょう。30年ほど前、ある大企業が「テレビ電話」を発表しました。億単位の広告宣伝費をかけ、街の至るところで大型キャンペーンを仕掛け、大々的に周知活動を行ないました。

が、しかし、その商品は1年持たず街から姿を消しました。

それはなぜか。答えは簡単で、この時期には「テレビ電話」という市場自体がまだ存在していなかったからです。

それから時を経て30年……。今ではテレビ電話は日常に溶け込み、お客だけでなくライバルも存在しています。だからこそ、ビジネスも成り立つ。これが、「市場の威力」です。

だから、あなたがまずすべきことは、「そこに市場があるかどうか」の確認と、どの市場で戦うかを決めることです。

「複数の市場に打って出たほうが儲かるのでは」と思うかもしれませんが、大切なのは「認知」です。あらゆる市場で認知を得ようとしたら、いくら広告宣伝費があっても足りません。

自分の身の丈で勝てる市場を一つ選定し、その市場に対し、認知と信頼を広げる活動を行なう。これが、継続的に勝ち続けている企業の条件なのです。 

さらに言えば、まずは「ライバル」に対して存在を示してください。ライバルに存在を認められない人が、お客に見つけてもらうことは不可能だからです。

著者紹介

船ヶ山 哲(ふながやま・てつ)

レムズリラ代表

1976年、神奈川県生まれ。心理を活用したマーケティングを得意とし、人脈なし、コネ
なし、実績なしの状態から、起業後わずか5年で1,000社以上のクライアントを獲得。その卓越したマーケティング手法は、数々の雑誌やメディアに取り上げられ、現在ではテレビ番組(テレビ神奈川)のメインキャストを務めるほか、ラジオ番組(FM横浜)でもメインパーソナリティーとして活躍中の起業家。また、プライベートでは子供の教育を最優先に考え、マレーシアのジョホールバルに在住。

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