2018年04月08日 公開
2023年05月17日 更新
今回の連載で船ヶ山氏が説くのは「市場」というものに対する誤解だ。多くの人は「より多くの市場に打って出たほうが儲かるはず」と考える。だが、それこそがビジネス失敗への道だという。それはいったいどういうことなのか。
多くの人がビジネスを無残にも失敗させてしまうのは、商品を作ってから「買ってくれる人はどこにいるのか」を探すからです。
成功者は決してこのような考え方を持っていません。まず、戦う市場を一つ定め、その内側に向けてメッセージを打ち出します。「商品は一つでも市場はたくさんあり、どの市場で戦うかで勝敗は決まる」からです。
詳しく説明しましょう。たとえば、街にある店舗とテレビ通販では同じ商品を扱っていても、価格も異なれば、お客も違います。また、インターネット上に数多くあるショッピングサイトも、それぞれ価格も異なれば、お客も違います。
なぜ、このようなことが起きるのかといえば、その市場における「お客の願望」がそれぞれ違うからです。
その証拠に、街の店舗に望むお客の願望は「比べたい」「触りたい」「持ち帰りたい」なのに対し、テレビ通販に抱くお客の願望は「わからないので専門家に選んでほしい」「電話1本で注文できる」「運ぶ手間がない」など。
つまり、まったく同じ商品を扱っていても、市場ごとに「お客は違う願望を持っている」。当然、それぞれの市場に提供すべき価値も、響くメッセージも違うということです。
それがわからない人は、売れないことを価格のせいにして安売りに走りますが、失礼ながらそれは「バカがやる」戦略です。さらに値下げをするバカが現われ、足を引っ張り合うだけです。価格には絶対に手を出してはいけないのです。
では、どうしたらビジネスを成功させ、勝ち組1%に入ることができるのか。それは、今回のテーマである「市場」の存在を知ることです。
更新:11月22日 00:05