説教やイヤミが絶えない上司とは距離をとりたくなるものだが、逃げると説教はエスカレートするだけ。逆に「ありがとうございます、もっと具体的に聞かせてください!」「飲みに行って話しましょう!」と、逆に近づくのが正解だ。すると、次第に叱る内容がなくなるだけでなく、「こいつは骨のある部下だ」と思われて、味方になってくれるだろう。さらに万全を期すなら、身近にいる困った同僚や後輩などの名前を出し「最近、○○君がたるんでいるようです」と次の生贄を差し出すと、矛先を変えるだろう。
反抗的な部下も無気力な部下も、実は根っこは共通している。「上司に期待されていない」ことが怖いのだ。したがって、それを否定する行動をとるといい。具体的には、「ピグマリオン効果」を活用しよう。簡単に言えば、その部下に対して「期待をしている」と伝えることだ。ただし、抽象的な期待では効果ゼロ。「君の分析力に期待している」など、部下の長所をピンポイントで指摘する。すると、やる気が高まり、結果を出すだろう。その結果をまた褒めると、次第に問題行動がなくなっていく。
無理難題を言うクレーマーにはどう対処するか。人は、たとえ怒っていても、ポジティブな言葉を口にし続けると、徐々に心が安定し、感情の乱れがなくなる。よって、クレーマーにはポジティブな言葉を言わせることが大切だという。そこで有効なのが「イエス・セット法」。肯定の言葉で終わる質問を根気よく投げかけるのだ。「こういう理解でよろしいですか?」「この点にご不満なんですね?」などと確認の質問をすると、イエスと言わせやすくなる。
《『THE21』2018年4月号より》
更新:11月22日 00:05