ここ一番の交渉で勝ちたいとき、不愉快な相手を黙らせたいとき……うまく言葉が出て来ずに悔しい思いをすることはないだろうか。「物腰柔らかくとも、反撃することが大切です。そうしないと、いつまでもナメられるだけです」と話すのは、「メンタルマジック」の第一人者であるロミオ・ロドリゲスJr氏だ。タイプ別に相手を沈黙させるブラック心理術について教えていただいた。(取材・構成=杉山直隆、写真撮影=まるやゆういち)
親しくもないのに、プライベートなことを根掘り葉掘り聞いてくる相手には、「スカッシュの法則」がよく効く。実は、人のプライベートにガンガン踏み込んでくる人は、自分のプライベートに踏み込まれるのを嫌うのだ。だから、スポーツのスカッシュのように、相手が打ち込んできたら打ち返す。具体的には、興味がなくても、相手のプライベートなことを根掘り葉掘り聞けばいい。すると、相手も踏み込んでこなくなるだろう。
上から目線で指摘してくる同僚や友人には、指摘に対してお礼を述べた後で、「習慣指摘」をすると良い。たとえば、「ご指摘ありがとう。気をつけるよ」などとお礼を述べた後、「でも、こういう言い方をした方がもっと伝わるんじゃないかな」と相手の無礼な言い方を指摘するのだ。すると、最初にお礼を述べているので、相手も反発しにくい。以後、「言い方がマズい」という指摘が気になり、今後は上から目線で指摘しづらくなるだろう。
自慢話を止めるには、「その話が自慢話になっていない」と気づかせればいい。しかし、いきなり否定すると角が立つ。そこで役立つのが「イエス・バット法」。まず「イエス」と受け止めた後、「バット」を述べる。たとえば「県大会で優勝した」というなら「それはすごい!」と受け止めた後、「でも全国大会では勝てなかったんだね」とそれ以上の成績は挙げられなかったことを指摘する。すると相手は、あなたに自慢しても自慢にならないと思い、黙るだろう。
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更新:11月22日 00:05