2017年12月05日 公開
2018年01月05日 更新
「罰金ですわー」
お宝を見つけちゃった〜みたいな嬉しそうな顔で言うんですね、おまわりさん。
ビクトリアフォールズの100メートル手前の路上の検問で。
「ほらっ、ここのライトが点かないでしょう?」
ナンバープレートの上を指さすんです、そうとう得意げに、鼻の穴をおっ広げて。
そんなところにライトなんかないでしょうよって、文句を垂れながら覗いたら、あるんです、豆電球みたいに小さいのが。で、運転席でライトをオンオフしても反応がない。
「ね、電球が切れてる」
おまわりさん、満面のドヤ顔。モーガン・フリーマンを50歳若くして、塩っけを抜いた目鼻立ちで、瞳がキラッキラ。
いやいやいや、塩抜きモーガンさん、こんなところのライトなんかどうでもいぐね?
今、まっ昼間ですよ。太陽、全力で出てるじゃないですか。雲ないし。正直、眩しくて目が痛いよね。
どう考えてもライトなんか要らないでしょう。
ほかの車だって、こんなところの電球なんかつきっこないですよ。うちのより、ボロいのばっかだし。
「じゃあ一緒に調べようか、ほかの車?」
ニヤニヤしながら言うものだから、即答で「Why not!」。生まれて初めて使いましたよ、「Why not!」。勢い余って「Of course! Sure!」と、知ってる「もちろん」系を全部くっ付けて、2度も繰り返して。
で、立ちました、道路の真ん中に並んで。
Tシャツ短パン、サンダル、ベタベタのアジア顔で。
どう見ても部外者だけど、違反者を検挙したい使命感は誰よりもあります。身銭がかかってますからね。
塩抜きモーガンが車を止めて、筆者がナンバープレートを覗き込む役割分担。
「運転手さん、ライトを点けてくれるー?」
ピカっ!
点くんです。
次の車も、その次も、その次の次も。すべて。みなさんお揃いで車検帰りなの?ってくらい。
「ねー、みんな点くんですよ」
ほっぺたに爪を食い込ませて360度つねりたいくらい憎たらしい、にやけた顔!
最後にチェックした車なんて、あれですよ、ライトが点くどころの騒ぎじゃないです、ナンバープレートそのものがない!
それなのに、「はい、オッケーでーす。ご協力ありがとうございましたー!」
モーーーーガン、Noooooooo!!!!!
ぜんっっっっぜんオッケーじゃない!
よく聞いて。主客だか本末だかがひっくり返ってる。完全に裏返ってる。ナンバープレートがないのがお咎めなしで、プレートを照らすライトがないと罰金って、どんだけピントがずれてんですか? 俺は怪しくない!って叫んでいる、全裸のおっさんみたいなものじゃないですか!
ってなことを訴えたかったのですが、犬以上猿以下の英語力。その辺を歩いているイボイノシシにすら伝わらないわけです。
罰金という名の賄賂かもしれないので、
「警察署の建物の中で、クレジットカードじゃなきゃ払いませんっ!」
啖呵を切ったものの、
Sure♪
歌うように軽い返事をいただいて警察署に連れ込まれ、サクっとカードを切らされたのです。
更新:11月22日 00:05