2018年01月30日 公開
2023年02月02日 更新
フクシマ氏自身は、こうしたスキルをどのように身につけてきたのか。キャリアの最大の転機は、40代にあった。
「社会に出て最初に携わったのは、日本語教師の仕事でした。この頃は教師を一生の仕事をするつもりでいたのですが、知人の紹介を受けて、32歳でコンサルティングの道へ進むことになりました。ビジネスはまったく未経験の世界への挑戦でしたが、大変刺激的でした。」
その後、スタンフォード大学でMBAを取得。ベイン&カンパニーを経て、40代でコーン・フェリーへの転職という選択をする。
「当時はまだ、ヘッドハンティングという仕事が今ほど一般的に知られていなかったこともあり、不安ももちろんありました。しかし、20代、30代での経験の積み重ねが、ここで役立ちました。クライアントが望むことは何かを常に先回りして考え、問い合わせがありそうな事項は先立って知らせ、日本のビジネス事情に不慣れな海外のクライアントには、日本特有の状況をお教えすることも心がけました。日本語教師やコンサルタントとしての仕事で学んだことを活かせたと思います」
世界的に活躍するビジネスウーマンの先駆者でもあるフクシマ氏だが、これからはますます性別を問わず能力を発揮できる時代になると予測する。
「女性だから、男性だから、といった区分けや国籍等はその人の全てではなく、個性の一部に過ぎません。ダイバーシティが浸透するにつれ、問われるのは様々な個性を持ったその人の能力になっていくと思います。」
さまざまな理由から管理職になるのをためらう女性はまだまだ多い。しかし、男女問わずリーダー的な立場を目指してほしいと話す。
「私自身も、社長就任を要請された際は、現場の仕事から離れがたく、ためらう気持ちがありました。しかし実際にトップになり、『全体と数字を見る』ことを責任者として経験したとき、さらに多くの視野が開けました。上に立って初めて見えること、知ることができることがあるので、ぜひ積極的にチャレンジしてほしいと思います」
《『THE21』2018年1月号より》
更新:11月25日 00:05