2017年09月24日 公開
2023年03月23日 更新
だるさを感じるもう一つの原因は、脳内伝達物質の不足です。中でもドーパミン系のアドレナリンやセロトニンが不足すると、意欲が低下したり、集中できなくなったりします。
脳内伝達物質が不足する大きな原因は、原料となるタンパク質の不足です。また、タンパク質をアドレナリンやセロトニンに代謝するのに必要な酵素も足りていない人がほとんどです。タンパク質を代謝するために使う酵素は、ビタミンCやビタミンB₆、亜鉛、鉄などですが、偏った食生活をしていると、なかなか十分な量を摂取することはできません。
アドレナリンやセロトニンが不足する原因は、食事だけではありません。実は「達成感不足」も、その引き金になります。「やった!」という快感や喜びを味わうと、脳内でドーパミン系物質やセロトニンの放出が促進されます。ですから、毎日のように達成感を味わっていれば、だるさを感じることもありません。
逆に、達成感のないまま何かを続けていると、身体はどんどんだるくなります。「上司や顧客に言われるまま、やりたくもない仕事を嫌々やっている」という人は、それが不調につながっている可能性が高いので要注意です。
さらに、睡眠の質が悪いことも、だるさの原因となります。
忙しいビジネスマンなら、睡眠の時間が短くなりがちなのはある程度仕方がないことですが、しっかり寝ているはずなのにだるさが解消されない場合は、睡眠の時間ではなく質に問題があると考えてください。
日中の不安や緊張が強いと眠っている間も交感神経優位な状態となり、眠りが浅く、免疫力も低下し、身体の不調を感じやすくなります。
このように、だるさを引き起こすメカニズムは、実は非常にシンプル。リンパ液の流れを促して老廃物を排出しやすくし、ドーパミン系の脳内物質を増やすような生活と質の良い睡眠を心がければ、だるさは解消できるわけです。
「なんとなくだるい」を解消するには、日常の暮らしを少し変えること。「有酸素運動に適した脈拍で走る」「休日にゴロゴロしない」「自分に達成感を与える」「良質なたんぱく質を摂る」「睡眠の質を上げるために、夜は光を遮断し朝は光を浴びる」など、自分ができそうなことを毎日の生活に取り入れて、「なんとなくだるい」を解消してください。
≪取材・構成:塚田有香≫
≪『THE21』2017年9月号より≫
更新:11月22日 00:05