2017年12月05日 公開
2023年03月23日 更新
写真:photolibrary
ビジネス文書の中には伝えたうえで、相手に動いてもらうことが目的になる文書も多い。たとえば、提案書、企画書などは、内容を的確に伝えたうえで、相手に興味を持ってもらい、その内容を実現するべく決裁などのアクションを起こしてもらう必要がある。ここではそうした「通す」目的の文書について、より効果的な方法を、プレゼンのプロが解説する。《取材・構成=林加愛》
●NG例
・宛名がないので、誰に向けた文書かわからない。必ず宛名を書く
・部署と名前のみでは情報不足。内線番号orメールアドレスは必須
・「~について」では意図が不明瞭。資料購入を決裁してほしいなら「資料購入のお願い」のほうが伝わりやすい
・出版社名がない。また、この本に関するもう少し具体的な情報もあったほうがより良い
・1巻ぶんの価格なのか、3巻の合計かが不明。税込・税抜かも不明
・「いつまでに連絡してほしいか」を書いていない
・「以上」の二文字の間には全角スペースを入れるのが慣例的なルール
稟議書の目的は「読み手の決裁」。しかしこの文書では、その判断材料が不足しています。
判断材料は、「6W2H」で考えるのが基本。文書作成時には「誰が、いつ、どこで、何を、誰に、どのように」の5W1Hに加え、「いつまでに(期限)」と「いくらで(価格や費用)」の2項目を足した8項目が記されているか、一つ一つチェックする習慣をつけましょう。
この文書では、「誰が(宛先と差出人)」「いくらで」「いつまでに」の情報に抜けや曖昧さが見られます。「何を」に関しても、資料購入を希望する気持ちが今ひとつ伝わってきません。タイトルを「お願い」に変えるだけで、その意図を明確に示せます。
「見た目」にも工夫が必要。すべての文字が均一だと平坦な印象になります。タイトルと項目だけ文字を大きくするなど、メリハリをつけましょう。なお、レイアウトが上に偏り過ぎている点も要改善。書き終えた時点で見直し、上下左右のバランスが均等になるよう調整すると良いでしょう。
更新:11月26日 00:05