2017年08月15日 公開
2023年03月23日 更新
「帰れない職場」には、業務と業務の間に見えないムダが溜め込まれていることが多い。これを発見し、取り除く方法とは? 効率化のみならず「やりがい向上」まで実現できる改革ノウハウを、新刊『「自分」の生産性をあげる働き方』を上梓した、業務改善・オフィスコミュニケーション改善士の沢渡あまね氏にうかがった。
長時間労働が社会問題になり、「働き方改革」が声高に掲げられる中、多くの企業は残業を減らす必要に迫られています。しかし、そこでとられている方策は、目先のことの改善しか考えられていないものが多いように感じます。
たとえば、退社時間を決めるなどの「制度化」。しかし実際には、仕事を持ち帰る社員が増えただけ、となるケースも少なくありません。
研修などによる「スキル強化」で作業の高速化を図る方法もありますが、これにも限界があります。スキルはあくまで属人的なもの。そのノウハウを共有しておかないと、その人がいなくなってしまった瞬間、また元に戻ってしまいかねません。
必要なのは、さらに根本的な改革。つまり「プロセスの見直し」により、ムダな業務を洗い出して削ること。
それには、まずは検討の「場」を作ることが重要。部門を超えて話し合えるミーティングの場を随時設けるべきです。
ここでのポイントは「見える化」と「言える化」です。見える化とは、ムダの発見と共通理解。そして「言える化」とは、各社員が「これはムダ」と言える雰囲気を作ることです。
言えない原因は、主に社員がムダに気づいていないか、もしくは「批判だと思われそう」とためらっているかの2つ。これを解決するのは上司の役割です。前者のタイプにはムダ削減について書かれた書籍を読んでもらうなど「気づき」を与えることで、意見が出やすくなります。後者のタイプが多いようなら、「言う場」を設ける。あるいは、外部のファシリテーターに任せて上司は席を外すのも一考です。
ムダを単なる個人の不平不満に終わらせない。チームでコミュニケーションを取り共有化する。「やっぱりこれってムダだよね」「おかしいよね」などと合意形成する。これこそが、ムダ削減の基盤になります。
では、職場のムダをどのように改善するか解説していきましょう。
更新:11月22日 00:05