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普段話している言葉が間違っている!?

2017年07月03日 公開
2023年04月06日 更新

松岡友子(コミュニケーションマナーアドバイザー)

 

伝わり方があいまいな言葉

「大丈夫です」
「大丈夫」は「安心できる、確か」という意味なので、承諾や可否を伝えるのに「大丈夫です」は適切ではありません。「承知いたしました」「はい、けっこうです」がより的確な言い方。また、相手を気遣うときの「大丈夫ですか?」も、時と場合によっては不親切かもしれません。大丈夫ではなくてもつい「大丈夫」と答えてしまう人が多いので、「気になる点はございませんか」などと具体的に聞いたほうが相手も答えやすくなります。

「けっこうです」
「けっこう」は、会話の流れで意味が変わる玉虫色の言葉です。否定の意味で「けっこうです」と伝えたつもりが、相手によっては「OK」と捉えられてしまって誤解のモトになることも。相手やシーンを見て「いいえ、けっこうです」「もう十分です」などと明確に伝わる言葉を選ぶことも必要です。ただ肯定の意味で使う「けっこうなお味でした」などの表現は、一段上の大人の表現になるのでぜひ使いこなしてほしい言い回しです。

「してもらってもいいですか」
人に依頼をするのに遠慮があるためか、相手に許可を求める表現になることがあります。この聞き方は相手によっては「回りくどい」「はっきり言えばいいのに」ととられ、ぶしつけに聞こえることも。ストレートに「していただけますか」が簡潔でスマートな表現です。その前に「お手数ですが」「申し訳ありませんが」などとクッション言葉を添えれば、相手に対する配慮を示したうえでの依頼表現となり、より丁寧になります。

「私的には~」
「~っぽい」や「~とか」と同様、断言することへの不安や自信のなさから、無意識のうちに「的に」とぼかしてしまっている表現です。「私的には~と思います」という言い方は、相手にも不安感を与えてしまうので、「私的には」という言葉は使わないほうがベター。もし、どうしても自信を持って伝えられないときは、「私といたしましては」「私どもといたしましては」と表現すると、責任感が伝わる表現になります。

≪取材・構成:麻生泰子≫
≪『THE21』2017年6月号より≫

著者紹介

松岡友子(まつおか・ともこ)

コミュニケーションマナーアドバイザー/マニエール・トモ代表

早稲田大学卒業後、ANA国際線客室乗務員・チーフパーサーとして11年半乗務。退職後、百貨店・エアラインスクール講師などを経て、2007年より研修講師に。現在、大手企業・官公庁・地方自治体などで、ビジネスマナーやセルフマネジメントまで幅広く研修・講演を行なう。著書に、『誰とでも仲良くなれる敬語の使い方』(明日香出版社)。

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