2017年07月03日 公開
2023年04月06日 更新
「差し上げてください」
「部長の奥さまに差し上げてください」はNGです。「差し上げる」は謙譲語なので、この言い方では「部長が差し上げてください」と上司をへりくだらせることになってしまいます。謙譲語を使っていいのは、自分や身内が主語のときだけです。この場合は、「部長の奥さまにお渡しください」が正しい言い方。混同しがちな尊敬語と謙譲語ですが、誰が主語なのかを考えると、正しく使い分けができます。
「なるほど」
相手の話に相槌を打ったり、感嘆を漏らすことは会話の潤滑油となりますが、言い方によっては、少し上から目線に聞こえることも。とくに相手が目上の立場の場合は、「なるほど」で終わらせず、そのあとに「確かにそうですね」「参考になります」とひと言を付け加えると、へりくだった姿勢が伝わります。また、何度も「なるほど」を繰り返すと、一本調子で耳障りに聞こえるので、相槌のバリエーションを広げましょう。
「お教えいたします」
「教える」という行為は、本来「先生→生徒」「親→子」「上司→部下」と上位者から下位者に行なうものです。したがって、取引先などから「御社までの行き方を教えてください」と聞かれて「はい、お教えいたします」と答えてしまうと失礼にあたります。「お教えいたします」自体は謙譲語としては正しい言い方ですが、マナーとしてはふさわしくない表現なのです。「説明いたします」「案内いたします」と言葉を替えましょう。
「お久しぶりです」
「お久しぶり」は、同等もしくは下位者に向けて使う挨拶表現です。親しい先輩、同僚などに使うならばOKですが、社外や目上の人に対しては「ご無沙汰しています」「ご無沙汰しております」と言うのが正解。とはいえ、常に「ご無沙汰しています」だと、距離感が縮まらないこともあります。「お久しぶり」が親しい間での挨拶であると理解したうえで、状況や相手に応じて使い分けるのができるビジネスマンでしょう。
更新:11月26日 00:05