2017年06月01日 公開
2023年04月06日 更新
では、売れる商品に共通することとはなんでしょうか。それは、次の4つです。
(1)ベネフィット
(2)資格
(3)目新しさ
(4)納得感
先ほどのスポーツジムの例を使いながら、具体的に説明します。
(1) ベネフィット
これは、お客さんが得られるメリットのこと。僕はこれを「Aだった人を、本人が望んでいるBにさせること」と定義しています。つまり、その人が望んでいる変化を得られること。「3カ月でマイナス10キロ!ぽっちゃりお腹がバッキバキに!」というのが、まさにそうですね。
(2)資格
これは、誰がそれを提供するかということ。もし、スポーツジムの広告に写っているトレーナーがぽっちゃり体型だったら……誰も、「ここでトレーニングすればやせられる!」とは、思ってくれませんよね。(1)のベネフィットが得られるかどうかの「信ぴょう性」に関わる問題です。
(3)目新しさ
既存のものとまったく同じものを出しても売れませんよね。その意味で、商品には独自性が必要です。他と差別化できる「目新しさ」は、お客さんに興味を持ってもらううえでは非常に重要です。
スポーツジムの例で言えば、「バランスの良い食事と適切な運動」と言われても、「たしかにそうだけど、当たり前すぎる」と感じませんか。「アメリカ生まれの最先端ダイエット法」などと言われたほうが、「今までと違うかも」と、興味を持つ人が多いと思います。
(4)納得感
(3)の「目新しさ」は重要なポイントですが、それだけを追求したのではダメです。たとえば、「暴飲暴食でダイエット」と言われたら、目新しさがありますよね。
でも、「暴飲暴食してダイエットができるわけがない」とも思いませんか? このように、ただ奇抜なだけでは信じてもらえないのです。そこで必要なのが、「納得感」です。「言われてみたら、たしかにそうかもしれない」と思わせるだけのものがあるかどうかということ。
いかがでしょうか? これらの「売れる法則」は、実際に売れている商品を見ても、大体当てはまっていると思います。
「売れる法則」がわかったところで、では、実際にどのようにこれらに当てはまる商品・サービスを考えれば良いのでしょうか。
これには「不」を解消する、という視点が重要だと考えます。
先ほど、売れる法則の一つとして挙げたベネフィットとは、「Aだった人を、本人が望んでいるBにさせること」だとお話ししました。つまり、ここで言う「A」の状態には不便、不満、不安、不快、不都合など何かしらの「不」があるのです。
スポーツジムの例で言えば、「理想の体型と違う」という不満や、「肥満体型で不健康だ」という不安などがありますね。
「世の中にどんな『不』があるか」を考え、それを解決する商品やサービスを生み出せば、それは確実にベネフィットとなります。
身近な「不」は、自分のこれまでの生活を思い返してみると、結構見つかると思います。たとえば僕は、大学生だった頃、よく一人で鍋料理を作っていました。安くて簡単にたくさん作れる料理だからです。でも、残った料理を保存するときに、「不」を感じていました。鍋をそのまま冷蔵庫に入れるには大きいし、かと言って常温で放置しておくと傷んでしまう。冷却装置のついた鍋があれば……なんて、思ったことがありました。こういう、身近な例でいいのです。
僕は今、子供たちに作文や読書感想文の書き方を教えていますが、これも自分が子供だった時に「不」を感じた経験が元になっています。読書感想文の書き方がわからなくて、書きたくなくて、読書そのものが苦痛になってしまったのです。同じような思いをしている子供たちがいるはず、と思って始めたら、好評をいただいています。
このように、自分が感じる「不」に目を向けてみると、そこに仕事のヒントがあると思います。
更新:11月26日 00:05