THE21 » キャリア » 6タイプ別「損する話し方」克服ガイド<後編>

6タイプ別「損する話し方」克服ガイド<後編>

2017年04月25日 公開
2023年04月06日 更新

西任暁子(U.B.U.[株]代表取締役)、森下裕道(パーソナルモチベーター)

 

⑤「すぐに緊張してしまう」人

「良く見せよう」と思うから緊張する

 大勢の人の前で話すときは頭が真っ白。1対1でも、相手の立場が高かったり苦手なタイプだったりすると言葉が出てこなくなる。もちろん当意即妙な受け答えなどできず、すぐにしどろもどろになる──。これではそもそも会話にならず、相手の信頼も失いがちだ。

 こうした、すぐに緊張してしまう人には共通して見られる傾向がある、と森下氏。

「緊張している人が考えていること、それは『自分がどう思われるか』です。声が上ずっていないだろうか、顔が引きつっていないだろうか、と自分のことばかり考えている。会話中に自分の心配しかしないのは相手に対して失礼ですし、言葉が出てこなくなって、自分自身も損をします」(森下氏)

 つまり緊張の裏には、自分を良く見せようとする心理が働いている。「いいことを言おう」とするから、ますます緊張してしまうのだ。

「ユニークで印象的なことを言おう、高尚でカッコいいことを言おう、と思いすぎて、自分でハードルを上げてしまっているのです。目に映ったものは、何気ないと思える内容でもどんどん口に出す練習をするといいでしょう」(西任氏)

 相手が予想外の反応をして会話に間が空いても、慌てる必要はない。

「たとえば、パーティーで赤ワインを飲んでいる相手に『赤ワインがお好きなんですか?』と聞いて、『いいえ』と素っ気なく答えられたら、このタイプの人は『え、どうして!?』とフリーズしがち。でも、『赤ワインを飲んでいらしたから、お好きなのかと思いました。どうして飲んでいらっしゃるんですか』と、思ったことをそのまま言えばOK。戸惑いを素直に表現すればいいのです」(西任氏)

相手を観察すれば緊張はスッキリ消える!

 もともと緊張しやすい性質の人でも、「ある方法」によって劇的に改善できる、と森下氏。

「自分がどう見られるか、という視点を180度転換させ、徹底的に相手を観察することです。『この人はどんな人だろう』『この人を楽しませる方法はなんだろう』という考えに集中すれば、緊張が入り込んでくる余地はありません」(森下氏)

 相手を見るコツは、顔だけでなく全体を見ること。持ち物やアクセサリーに着目するのも効果的だという。「お洒落だ」「綺麗だ」などとポジティブな感想を持てば、相手を楽しませる意思はより強くなる。

「大勢の前で話すときも、場全体を見ること。一番先に入室し、内装や机のレイアウトなどを眺める。人が入ってきたら人数を数える。見られる側ではなく、見る側に回れば場のイニシアチブが取れます」(森下氏)

 また、身体を使うことで、緊張を解消する方法も。

「緊張すると文字どおり『腰が引ける』もの。そんなときは、勇気を出して一歩前に出るようにすると、不思議と言葉が出てきますよ」(森下氏)

次のページ
⑥「つい感情的になってしまう」人 >

THE21 購入

2024年12月

THE21 2024年12月

発売日:2024年11月06日
価格(税込):780円

関連記事

編集部のおすすめ

部下を伸ばす話し方vs.やる気を削ぐ話し方

吉田幸弘(リフレッシュコミュニケーションズ代表)

「即断即決」社長の瞬時に伝わる話し方

大山健太郎(アイリスオーヤマ社長)

仕事で使える!「損をしない」言い換えフレーズ25

渡辺由佳(話し方・ビジネスマナー講師)