2016年12月21日 公開
2024年12月16日 更新
FP:なるほど、公募できないなら直接投資家を開拓するか、FPを開拓するしかないというわけですね。ちなみに、どういった方が投資されているのですか。
A社:一般の投資家から、いわゆる「お金持ち」までいろいろです。
FP:日本の投資信託との違いは何でしょう?
A社:投資のパフォーマンスです。先ほども申した通り、直近12ヵ月でマイナスのパフォーマンス、すなわち損をしたことがない商品もあります。
FP:そんなことが可能なんですか。
A社:ヘッジファンドは下げ相場でも利益が上がりますので、市場に左右されにくいのです。
FP:日本ではなぜ、運用実績の優れた商品が少ないのでしょうか。
A社:まず、投資家の知識が不足していることがあると思います。一方、販売する側は長期運用を嫌うため、次から次へと商品を変えて販売手数料を稼ぐというビジネスモデルを取る。ただ、これには限界があると思います。
あとは、運用ノウハウに優れたファンドマネージャーがいないことですね。それは、彼らの評価の仕組みのせいだと思います。
日本の投資信託は、「ベンチマーク」という参考数値に対して、運用益が上回ったか下回ったかという相対的な視点で評価されます。一方のヘッジファンドは、いくら利益が出たのかという絶対的な数値で評価されます。ただ、ベンチマークは相場そのものですので、「相場が下落したのでこの投信に損が出てしまったのは仕方がない」という言い訳が可能であり、知識のない投資家もそれをもっともだと納得してしまうのです。
しかし実際は、ヘッジファンドのように相場に対して価格下落時におけるリスク回避の手法を用いることで、下落相場でも利益を出すことは可能なのです。日本の投資信託は言い訳を許す土壌があり、ヘッジファンドは負けたら即解散。これが能力の差につながっていると思います。
FP:下げ相場でも利益が取れるのであれば、投資家にとっても大歓迎ですね。
A社:通常、このようなファンドは最低投資金額が1億円単位であるため、年金や金融機関などが投資家になるのです。
FP:1億円からですと、投資できる人は限られますね。
A社:ですので、今お話ししたファンドは10分の1の1,000万円くらいから投資が可能となっています。
FP:投資信託は1万円くらいから投資できますので、やはりお金持ちのための投資という感じですね。
A社:金融資産が3,000万円以上あれば、投資対象としてご検討いただけるものと思います。
FP:なるほど。ありがとうございます。
いかがでしょうか。ほんの一部ですが、日本におけるヘッジファンド販売の現場を覗くことができたのではないでしょうか。次回はアジアでのファンド販売を行っている販売会社へのインタビューをお送りしたいと思います。
更新:01月03日 00:05