2017年01月26日 公開
2023年01月11日 更新
デザイナーのタムラカイ氏が提唱するのは、簡単な絵や図を多用した「ラクガキノート」。「仕事のためのノートに絵を描くなんて……」と思うかもしれないが、実は絵や図で表わすことによってイメージが明確化し、さまざまなインスピレーションにつながるのだ。絵が苦手な人でもできる方法を中心に、そのノウハウをうかがった。《取材・構成=林加愛、写真撮影=長塚健》
メモや記録に、「絵」の要素を入れる――話者の顔、漫画のような吹き出し、イメージを表現した小さなカット。私はデザイナーという仕事をするうえで、こうした「ラクガキノート」を多用しています。一人でアイデアを練るときはもちろん、企画書や議事録もラクガキ入りでまとめたものを、スキャンして共有しています。
この手法は一見ビジネスにはそぐわないようで、実は大きな効用があります。一つは「観察力」が磨かれること。顧客、同僚、時には自分を絵にしようとすることで、それぞれの「本音」と向き合う姿勢が備わります。
その結果、「想像力」も磨かれます。相手のニーズを深く考えるので、提案や企画のクオリティも上がります。
そして何より、絵は「伝える力」が非常に高いのです。文章だけでは素通りしてしまう情報も、絵を添えればポイントが引き立ち、印象が格段にビビッドに。言葉では表現できないニュアンスも伝えられます。
「自分は絵が下手だから無理」と思う必要はありません。人の顔や姿、記号などをごく単純に描き表わすだけです。まずは表情とセリフを書いてみるだけでも良いのです。
一番簡単な入口は、メールの「絵文字」を意識すること。「笑顔」「困り顔」「やる気になっている顔」など、いずれもごく単純ですね。これらの表情を描き加えていくだけで、イマジネーションが大きく広がります。
更新:12月02日 00:05