2016年09月28日 公開
2023年05月16日 更新
私も最初は、うれしい出来事があっても I was very happy. としか書けませんでした。しかし、very と同じ意味で really を使うことができると知ると、それをさっそく取り入れました。さらに I couldn't be happier.(最高にうれしい!)というひと工夫加えた表現や、It made me smile. などI以外の主語を使った表現など、バリエーションがどんどん増えていったのです。
こうした表現力アップにひと役買ってくれたのが、日記と同時期に始めた「英語手帳」です。手帳のスケジュール欄の外のメモ欄に、印象的なフレーズを書き留めておくのです。これは、持ち歩くツールならではのメリットだと言えます。
もちろん、スケジュール欄も英語で書いていました。予定は lunch at ○○ など、数語で書けるものが多いのですが、そこにひと言、センテンスを書き添えるのが常でした。目にしたもの、出会った人の名前、起こった出来事の感想などを簡単に書き留めておくのです。そのときに思ったことをすぐ言葉にする作業は、日記とはまた違うトレーニングになります。
手帳は日記以上にスペースに限りがあるので、うまく短く書くことも必要です。その方法の一つが略語を使うこと。
ネイティブがよく使う略語に w/ というものがあります。これは with という意味。ちなみに w/o は without ですが、これは手帳ではあまり出番がなさそうですね。
b4 という略語もあります。おわかりになるでしょうか? そう、before です。
mtg(meeting)は、ビジネスマンには馴染み深いでしょう。
こうした略語を使ってみるのも、また楽しいのではないでしょうか。
英語日記や英語手帳を始めるに当たっては、いくつかのポイントがあります。
日記を書くときは、長い文章を書こうとせず、1日数行でいいので、毎日続けること。
また、良い辞書を用意しておくと便利です。最近の辞書には「類義語の上手な使い分け」や「日本人が間違いがちなポイント」などを囲みで説明してくれるものもあり、頼れる家庭教師なみに親切です。心強い味方となるでしょう。
また、日記帳を選ぶときは、相性を意識しましょう。私が使っているような5年連用のものを使うのは大変そうだという方は、一般的な1年用の日記帳を使うといいでしょうし、「日によって書く量が違いそう」という方は、日付の入っていないノートを使ってもいいでしょう。自分の性格に合った書き方をすることも長続きの秘訣です。
手帳に関しては、予定を少し詳しめに書くのがお勧め。ただ meeting とだけ書くのではなく、何のための meeting なのかを書くことで、仕事に直結する語彙が増やせます。
また、ただの残業(overtime work)ではなく、サービス残業(unpaid overtime work)と書けば、そのときの状況や思いがより強く反映され、記憶にも残りやすくなります。
このように、日記にも手帳にも「自分に密着した情報」を書くのが、継続の秘訣です。今、関わっている仕事や興味を持っているテーマなど、身近で大切なことについては、存分に書きたい気持ちになるものです。その気持ちが「もっと良い表現はないか?」と英語へのアンテナを張ることにつながるのです。
《取材・構成:林 加愛》
《『THE21』2016年2月号より》
更新:11月23日 00:05