2016年11月18日 公開
2023年05月16日 更新
新日本プロレスをV字回復させた「100年に一人の逸材」・棚橋弘至。何事にも全力で組織をも変えた、その生き様は従来のプロレスファンのみならず、さまざまな人から支持されている。この企画では読者の皆さんからお寄せいただいたお悩みに、棚橋選手がお答えする。《取材・構成=村上敬、写真撮影=永井浩》
Q1 仕事で外国人を接待することになりました。でも、英語は苦手でうまく話せません。外国人と上手にコミュニケーションを取って、喜ばせるコツはありますか?
相談者さんは、ちょっと心配しすぎかもしれません。外国人と仲良くするのに、高いレベルの英語力は必要ありません。僕は外国人レスラーとタッグを組んだり海外にも遠征に行きますが、使っているのは中学卒業レベルの英語です。
たとえば、若手のジュース・ロビンソンとタッグを組むことが多いのですが、彼はロックが好きなので、花道から入場する前には「It’s rock’n rool time!」とか、「It’s our time!」と声をかけて気持ちを盛り上げています。これって、超カンタンな英語でしょ?
外国人と打ち解けるときに重要なのは、英語力より、何を話すか。それさえ間違えなければ、仲良くなるのは難しくありません。
僕は、初対面の外国人と話すとき、いつもこう切り出します。
「What shoud I call you?」
(何て呼べばいい?)
外国人レスラーはたいていリングネームを持っていますが、普段は別の名前で呼ばれたいという人が少なくありません。相手がいつも呼ばれている名前で呼べば、相手との距離はグッと縮まります。日本人同士だって、「○○さん」と他人行儀で声をかけられるより、あだ名や下の名前で呼び合ったほうが親しみを感じますが、それと同じ理屈です。
相手に覚えてもらいやすい自己紹介も大切です。僕の場合はこうです。
「I have never been tired.」
(俺は疲れたことがない!)
こちらをよく知らない人にも、自分の強みを短いフレーズで伝えれば「なんだ、あいつは」と興味を持ってくれます。
キャラづけは、その後も継続してやるべき。たとえば「How are you?」と声をかけられたとき、
「I’m fine.」
と返すのは平凡。僕は、
「Just great!」(絶好調だよ!)
と返して、疲れたことがない男であることを強調します。これを何度か繰り返すと、すぐに覚えてもらえます。
もう一つ、とっておきのコツがあります。それは女性の話、もっと言うと下ネタを質問すること(笑)。
とくに海外遠征で若い選手たちを相手にするとき、下ネタは鉄板。「彼女はいるのか」とか、「××は、スラングで何というのか(××はご想像にお任せします)」と話をふると、百発百中で食いついてきます。下半身の話が盛り上がるのは万国共通。仕事で会う外国人には厳しいかもしれませんが、商談ではなく接待のときなら試してみる価値があるのではないでしょうか。
中には、「こちらから話を振るのはいいが、相手の返答が聞き取れなくて困る」という人もいるでしょう。じつは僕もヒアリングは得意じゃありません。それでもコミュニケーションが取れるのは、次の二つのフレーズを多用するからです。
一つ目は、「come again」(もう一度言って?)。相手の言葉が聞き取れなければ、遠慮せずに素直に聞き返すのです。このフレーズを何度か使うと、相手はこちらに気を遣って、ゆっくり話してくれるようになります。
それでも聞き取れなければ、奥の手です。
「I get you.」(わかった)
本当はわかってなくても、こうやって流しておけば何とかなるもの。いい加減だと思われるかもしれませんが、そのくらい気楽な姿勢で会話したほうが、肩の力が抜けて仲良くなれます。
次のページ
若い頃に比べて痩せにくくなった、どうしたらいい? >
更新:12月02日 00:05