2016年06月27日 公開
2016年11月14日 更新
穏やかで、他人に気遣いができる人です。ただ、自分に対しても同じ気遣いを求めがちで、それが「どうしてやってくれないの?」というストレスにつながりやすい。といって、ストレスを表に出せるタイプでもないので、ストレスがどんどん溜まっていきがちです。
このタイプも、物事の捉え方を変えることがとくに重要です。たとえば、挨拶をしたのに相手が返してくれなかったとき、「嫌われているんだ」と捉えるだけでなく、「考え事をしていたのかな」「まあ、いろんな人がいるよな」といった多面的な見方ができるようになること。そのためには、ビリーフチェンジ([悲観思考タイプ]のところで解説)が有効です。
また、出来事に過敏反応して瞬間的にネガティブな感情が出てしまいがちなので、自分を落ち着かせるスキルも持っておくといいでしょう。たとえば「丹田呼吸法」です。
[1]へその下の丹田に意識を集中し、口から息を吐ききる。
[2]「 1、2、3……」と数えながら鼻から息を吸う。
[3]吸ったところで、数秒間、息を止める。
[4]またカウントしながら、吸う時間より長い時間をかけて息を吐く。
これで過敏な反応を抑えることができます。
自分が好きで、他人から過大な評価を求めるタイプです。起業家など、カリスマ性のあるリーダーに多く見られます。ただ、弱みを見せるのが苦手で、つらくても他人に打ち明けることができません。それがストレスになります。
対策としては、いかに自分の弱い部分を受け入れるかがカギとなります。自分の弱みとは、要するに、不安なこと、悩んでいることです。それを客観視することで受け入れやすくするのが「ストレス抽出法」です。
悩み、不安、嫌なこと、モヤモヤすることなどのストレスをすべて紙に書き出すのですが、ポイントは「現在/過去/未来」「プライベート/仕事」などの簡単なカテゴリー分けをすることです。そうすることで、思いつきやすく、書きやすくなるばかりでなく、書き終えたあとで客観的に自分のストレスを見やすくなります。
「思ったよりもプライベートの不安が多いな」「意外と未来のことは心配してないのか」といった気づきを得られるだけで、ストレスが軽減されます。
周りに気を遣い、自己主張をせず、争いを避けようとするタイプです。他人に嫌われたくないという気持ちが強い。場の雰囲気を大切にするので、まとめ役、盛り上げ役として信頼されますが、自分を押し殺すことによってストレスを溜めがちです。
対策としては、「時には自己主張してもいい」「争うことで結束が強まることもある」といった捉え方もできるように、ビリーフチェンジ([悲観思考タイプ]のところで解説)を活用するのがいいでしょう。そのうえで、「アサーティブ・コミュニケーション」でバランスの良いコミュニケーションを目指しましょう。
[1] 事実を伝える(例:「今、仕事をこれだけ抱えていて、時間が足りません」)。
[2] 自分の気持ちを伝える(例:「頼まれたX社の件、早めに仕上げたいとは思っているのですが……」)。
[3] 提案やお願いをする(例:「このような状況ですので、明後日の17時までお待ちいただけますか?」)。
[4] 結果を示唆する・代案を述べる(例:「それでよければお引き受けできます」)。
この流れを意識することで、自分と相手の両方に配慮しながら、言いたいことを言えるようになっていきます(自己主張ばかりになりがちな「自尊心偏重タイプ」にも有効な手法です)。
《取材・構成:川端隆人》
《『THE21』2016年6月号より》
更新:11月25日 00:05