2016年06月11日 公開
2016年11月14日 更新
(2)エクスプレッシブ(注目重視型)
感情表現が豊かで、自己主張も強いのがエクスプレッシブ。勝敗よりも、自分が注目を浴びたいという気持ちが強いタイプです。常に話題の中心になりたいので、相手が何か話してきたら、少し大げさに共感するのがコツです。それだけで気分を良くしてくれます。
このタイプの下で働くと、朝令暮改が当たり前のようにあります。ボルテージが上がると思いつきでしゃべるうえ、考えていることがコロコロ変わるからです。それに振り回されないためには、頼まれたことにすぐには取りかからず、少し寝かせるのもコツ。1週間経てば熱が冷めていることはよくあります。もし「もうやったか?」と聞かれたら、「少し迷っているので、ご相談させてもらってもいいですか?」と答えましょう。
エクスプレッシブの人はユニークなことを求めるので、完璧に理論武装した案を「面白くない」という理由で却下することがあります。それは、合理性ではなく、注目を集めるかどうかや「ワクワクする」といったフィーリングを判断基準にしているからです。下手に理屈を述べるより、「誰もやっていないので、絶対注目されます」「楽しそうじゃないですか」などと言ったほうが賛成してくれます。
(3)エミアブル(気持ち重視型)
勝ち負けよりも、「みんなの気持ち」を大事にするタイプです。感情表現が豊かですが、自己主張は控えめで、どちらかというと話の聞き役です。
人当たりは良いのですが、イニシアチブを執ることやリスクを取ることが苦手。何かを決めるときにも、部下などに「どう思う?」と聞いて、自分で決断することを敬遠します。なので、理詰めで説得したり、選択肢を複数用意したりしても、かえって迷ってしまいます。
そんなエミアブルの人に決断してもらうポイントは、「一緒に決めませんか」と相談に乗る姿勢を見せること。すると、自分一人にかかる責任が軽減されるので、安心してくれます。
稟議書を作る手伝いをするのもいいでしょう。「社内に軋轢を生まないか」を非常に気にするので、その芽を摘んであげるのです。
このタイプの人と話すときは、勝負重視型とは逆で、雑談から入って気持ちをほぐすのがベター。いきなり本題から入ると身がまえてしまい、そのまま心を閉ざすことがあります。
(4)アナリティカル(理論重視型)
冷静沈着なタイプ。物事を分析するのを好み、理屈を大事にします。熟考するのが好きで、無口な人が多い傾向があります。
理論重視型の人は、提案や企画に対し、なかなか首を縦に振ってくれません。リスクを嫌うということもありますが、自分で筋道を考えて納得がいかないと認めないのです。直感で判断するエクスプレッシブとは真逆です。
このタイプの人を相手に、自分の提案や企画を通すためには、データや他社の事例をしっかりと用意することが大切。そのうえで、じっくりと考えてもらいましょう。
無言が続いても、それは熟考しているだけなので、気にする必要はありません。逆に、べらべら話しかけたり、急かしたりするのはタブー。「とりあえずやりましょう」とか「仮でもいいので押さえておきましょう」などと言うと、気分を害してしまいます。
また、数字や時間の正確さも重要です。約束の時間に少しでも遅れると怒り出すことがあるので、十分注意してください。
いかがでしょうか。こうしてタイプ別の対処法を知っておくと、仕事の成果が上がります。違ったタイプの人と一緒に仕事ができるようになるので、互いに弱みの補完ができるからです。大きな仕事をするために必要なスキルなので、ぜひ身につけてください。
また、相手のタイプばかりではなく、自分のタイプも自覚しておくと、自分に対して周囲の人がどう思っているかが推測できます。
とくに、あなたと真逆のタイプの人は、あなたのことを「困った人だ」と考えている可能性が十分にあります。その相手とうまくやっていきたいなら、自分の弱点を意識して直しましょう。
《取材・構成:杉山直隆》
《『THE21』2016年6月号より》
更新:11月25日 00:05