2016年05月19日 公開
2023年05月16日 更新
報告や伝達のシーンでは、「結論から言わない」女性が、しばしば男性を怒らせます。
俯瞰的にものをみる男性脳が「結果・結論」を重視するのに対し、小さな変化や推移に敏感な女性脳は、「プロセス」を重視します。その結果、つい発端から経緯、個人的感想まで長々と伝えたくなるのです。
しかしこの伝え方は、男性の目には「デキない人間」と映ります。まして、最後に言う結論が「……というわけで、先方がお怒りで、至急お電話くださいとのことです」などだった場合は、激怒されても文句は言えません。
大事なのは、「結論から言う」ことと「数字を言う」ことです。
「部長、この件は○○になりました。理由は三つありまして……」がベストな伝え方です。
ちなみに、3つ伝え終わる前に4つ目、5つ目を考えついてしまうのも女性脳によくある現象ですが、あとから勝手に増やしてはいけません。
男性脳は、対話に使う脳のワーク領域が女性の数十分の一しかなく、「3つあります」と言われたときには、狭いスペースに隙間を作り、三つの箱を用意します。そこへ4つ目、5つ目が予想外に降ってくると、男性の脳神経回路は多大なストレスを覚えるのです。
どうしても言いたいときは、いったん席に戻ってから少し時間を置き、「追加情報があります。2つありまして…」と、新たにワンセット組みましょう。
「結果重視とプロセス重視」の違いは、「叱り方」にも大きな違いを生み出します。
あるタスクで上々の成果を収めた時、女性は「成功を導いたプロセス」に満足を覚えています。ここで上司は、「でも、あの段階のあの部分は問題があったよ」と言ってはいけません。その出来事全体の世界観が壊れて、女性は途方に暮れてしまいます。
逆に、結果が悪かった場合は、プロセスにダメ出ししてもOK。そのせいで失敗したのだ、と女性も納得しているからです。
男性に対しては、この構図が正反対になります。
成功を収めたとき、男性は結果に満足しています。ですから、途中段階に問題があったことを指摘してもさほど気にしません。「そうですね、次から気をつけます!」で済むでしょう。
逆に、失敗したときに経過を責めると、多大なダメージを受けてしまいます。
もちろん、上司として問題点に気づかせることは必要。男女を問わず、「問題があるとしたらどこだと思う?」「なぜ失敗したかわかる?」と問いかけ、自分で答えを出させるのがベストです。
このように、接し方ひとつで対話はぐっと円滑になるもの。相手の性別による「感じ方」の違いを把握して、無用な波風を立てないコミュニケーションを図りましょう。
《『THE21』2016年5月号より》
更新:11月25日 00:05