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今、話題の「ミニマリスト」 の仕事術とは?

2016年02月04日 公開

佐々木典士(ミニマリスト)

「沈黙のTO DOリスト」を排除する

 なぜ、仕事に取りかかるのに時間がかかっていた僕が、すぐにエンジンがかかるようになったのでしょうか。

 それは目の前に雑然と置かれたモノが一掃されたことで、自分の内面に意識が注がれ、今、自分がしていること、すべきことに、より意識的になったからです。

 身のまわりに雑然と置かれたモノ、たとえば、パソコンに貼られた無数の付箋、机に積まれた仕事の資料……これらは、つねにメッセージを発しています。「資料、整理しないとな」「あの案件どうなったんだっけ」……モノが視界に入ることで、モノに関連した思いが無意識のうちに引き起こされます。

 僕はモノが発するこれらのメッセージを〝沈黙のTODOリスト〟と呼んでいます。その数が増えるほど集中力が削がれ、〝本来のTODOリスト〟に意識が向きにくくなります。だからこそ、デスクの上をゼロにする──それだけで集中力が生まれ、仕事への取り組みが変わったのです。

 

文房具類はすべて引き出しに収納している。開けた瞬間に、モノをすべて見渡せる状態で、探す手間がかからない。編集者という仕事柄、大量に保有する名刺は​、あいうえお順に収納。名刺のデジタル化が今後の課題だそう。

 

 一方、時として、外から入ってくる雑多な情報やメッセージが、仕事のヒントにつながることもあります。それは企画や新しいアイデアを考えるとき。

 そんなときは、僕はリュック1つで外に出てカフェなどで仕事をします。以前は、仕事の資料がバラバラに管理されていたので「思い立ったらすぐ」とはいきませんでした。しかし、デスクを片づけると同時に、仕事資料のデジタル化、ツールのモバイル化を進め、思い立ったらすぐ外に出られるポータブルな仕事環境ができたのです。

 仕事の紙資料は、スキャンしてPDF化。メモ程度ならばスマホで撮っておき、紙は処分します。これらのデータはDropboxなどのWEB上のクラウドストレージにファイルを置き、職場からでも、外出先からでも、すぐに取り出せるようにしました。ただし、デジタルデータは、消失のリスクも伴います。その点はRAID機能のあるハードディスクで二重バックアップを取り、リスクヘッジを図っています。

 ミニマルな仕事環境を作ったことで、働き方はシンプルで合理的になりました。同じ時間働いても、その密度は以前よりずっと濃く、なおかつ自分のペースで無理なく働けるようになったのです。

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モノを減らすと行動力が高まる! >

著者紹介

佐々木典士(ささき・ふみお)

ミニマリスト

1979年生まれ。〔株〕ワニブックス勤務。編集者・ミニマリスト。早稲田大学教育学部卒。学研『BOMB 』、INFASパブリケーションズ『STUDIO VOICE』を経て、現在は書籍編集に従事する。2010年頃から身のまわりのモノを手放し始め、その経験をまとめた『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』(ワニブックス)は、12万部を超えるベストセラー。

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