2016年02月19日 公開
2016年02月29日 更新
具体的な方法としては、マンガを読みながら知らない単語や言い回しを調べます。このとき、単語の意味を知るだけでなく、必ず「語源」に着目します。
「語源」とは、「英単語をパーツに分解したそれぞれの意味」と定義します。たとえば、「centipede」という単語があります。これを分解すると「cent(百)」と、「pede(足)」というパーツで構成されていることがわかります。つまり、意味は「ムカデ」。このように覚えると、「cent」や「pede」の役割も同時につかめます。
「1世紀=100年」を「century」と言う理由も理解できますし、「pedometer」という未知の単語を見ても、足に関することだと想像できます(ちなみに正解は、「万歩計」。推測できた人も多いのでは?)。こうした推理力がつけば、調べる頻度自体もどんどん減るはずです。
語源を調べるには、紙の辞書よりもネット検索が手っ取り早いかもしれません。「centipede 語源」と検索するだけでOKです。この方法は、機械的に暗記するよりもずっと面白く、効果的です。1日1時間も続ければ、半年で10,000語は語彙が増えるでしょう。
こうして、マンガを読みながら語彙の壁を突き崩しつつ、同時並行で「音の壁」にも挑戦しましょう。
ここで有効なのは、先述した「リピリス」。リピリスとはリピートリスニング、つまり同じ音を何度も聴くという方法です。
「知っている単語なのに聴きとれなかった」という経験、誰もが一度は味わっているはず。それは、英語と日本語は発音の方法が大きく違うからです。
その違いを知るために、まず意識すべきはシラブル(音節)。たとえば「what」は、日本語の感覚では「ホワット」という2~3音節の言葉ですが、英語では「ワッ」に近い1音節。この感覚がつかめたら1歩前進です。
加えて、「内容語」と「機能語」の区別を理解することも重要ポイント。内容語とは名詞や動詞など、その一語だけで独立した意味を持つもの。対して機能語とは、冠詞や助詞や前置詞など、それ自体だけでは独立しない語のことです。内容語は文のメッセージを担う部分ですから強くしっかり発音されるのに対し、機能語の発音は速く弱く発音されます。
たとえば、「The monkeys will eat some bananas.」という英文の場合、「monkeys」「eat」「bananas」以外の言葉は一瞬しか発音されません。つまりこの英文は、「monkeys」「eat」「bananas」という三つの山を描くリズムを持っているのです。
このリズムに慣れることが、聴く力をつける決め手です。それにはさまざまな音を聴くよりも、1種類に絞りこんでひたすら聴き、耳に覚え込ませるほうが明らかに有効です。
無料マンガで「語彙」を、「リピリス」で「音を聴く耳」を鍛える。この方法ならきっと、楽しく続けられるはずです。
《『THE21』2016年2月号より》
更新:11月22日 00:05