2015年09月15日 公開
2016年12月13日 更新
大病を経験したことは、大橋さんにとって、仕事や人生との向き合い方を大きく変える転機にもなったそうだ。
「以前は仕事一筋の生活でしたが、今は仕事以外の時間をいかに充実させるかを考えるようになりました。社会全体でワーク・ライフ・バランスを推進する傾向だということもありますが、身体を壊してからは、ワーク・ライフ・バランスを大事にしたいと思うようになりました。
土日は基本的に休みなので、週末にはキャンプに出かけて自然に触れたり、映画もよく観るようになりました。先日は、番組ゲストである大学教授が担当されている経済学のゲーム理論の授業を聴講しました。すごく勉強になりましたし、そこで知り合った社会人の方々からも刺激を受けました。
がむしゃらに仕事をするのではなく、周りの景色を楽しみながら、いかにしなやかに仕事ができるかということを実践している最中です。生放送には、伝える側の生き方そのものが表われると思います。仕事一筋の人生では、視点が凝り固まってしまいますし、心に余裕がなくカリカリしていると、視聴者の方にもそれが伝わって疲れてしまうのではないかと。
バラエティー豊かな情報をお伝えする『チャージ730!』の視聴者には、ビジネスマンも、主婦の方も、独身の方も、いろんな方がいらっしゃるはず 。そういった方々に楽しんでいただけるよう、伝える側も社会との接点を増やし、多様な視点でニュースをお伝えできればと思っています。
以前の私は身体に対して傲慢だったと思うので、そこは反省しています。私にとって大事なことは、万全な状態でハツラツと、7時30分にMC席に座っていることです。そのためにも、無理をせず、身体の声に耳を傾けていこうと思っています」
脳梗塞を患った後、8カ月の療養を経て仕事に復帰した大橋さん。復帰にあたっては、ある強い思いがあったという。それは、自分の経験から得たことを多くの人に伝えることで、人々の健康や命を守るために役に立つことだ。
「脳卒中の治療にはどんな選択肢があるのか、また脳卒中が疑われる症状はどのようなものか、自分が経験した実感値からお伝えできることは大きな喜びです」
たとえば、脳卒中を発症した際に気をつけるべき要素を示した「FAST」という啓発用語がある。F=FACEで顔がゆがみ、A=ARMSで腕がだらんと垂れ下がり、S=SPEECH で呂律がまわらなくなる。この3つの症状が現われたときは、脳卒中のサインだから、T=TIMEで時間が勝負になるという。
「私がこの用語をテレビで紹介したところ、症状が当てはまるからと病院に行き、軽度のうちに手術をしたという視聴者の方からお手紙をいただきました。また、私の社会復帰を励みにしてくださっている、という脳卒中経験者の方の声もいただきました。
病気で多くの方にご迷惑をかけてしまいましたが、私の経験が社会のお役に立てるのはうれしいですし、これからも人々にとって有益な情報をお伝えしてきたいと思っています」
更新:11月22日 00:05