2015年05月29日 公開
2023年02月01日 更新
本の内容を少しだけ紹介しておきたい。まず第1章では、新規事業を立ち上げる際に陥りがちな罠とその対処方法を、よく見かけるトップ層と担当者とのやりとりを通じて体感してもらうことを意図している。
第2章では、再生フェーズにある企業に求められる事業計画について、2つのフィクションを用いて、その策定ノウハウを紹介している。
第3章では、事業計画が本来持つべき複数の目的ごとに、現実に起こっていることを取り上げつつ、各局面で鍵となる事項を取り上げている。
最後の第4章では、事業計画の一部でもある事業戦略について、我々の立案ノウハウを解説している。
我々は産業再生機構にいた頃から、さまざまな業種業態の再生計画の策定と実行を自ら行なってきた。IGPIを設立してからは、再生計画のみならず、新規事業の計画策定や大企業向けのグローバル成長戦略の導出、さらには、金融機関の方々とのモニタリングの仕組みの構築なども手掛けている。また、自己投資と経営支援を東北地方の地域交通機関や最先端技術ベースのベンチャー企業において行なっている。
これだけ取り上げてみても、事業のステージだけでなく、さまざまな立場でビジネスプランニングに関わってきたことを振り返ることができる。本書で、すべてを紹介できているわけではないのだが、どのような立場、どのようなステージにいる方であっても、ビジネスプランに関するリテラシーを高めるお手伝いができれば幸いである。
斉藤 剛
(さいとう・たけし)
経営共創基盤(IGPI)パートナー/取締役マネージングディレクター
東京工業大学工学修士、カーネギーメロン大学理学修士(MS in eCommerce)。CDIにて、事業立ち上げや戦略転換の局面における事業戦略立案と実行プロジェクトに数多く関与。産業再生機構に参画し、複数の支援企業を統括。OCC、カネボウの取締役を歴任。IGPI設立後は、製造業、情報通信、サービス業を中心に、成長加速化、事業創造、事業と財務の一体改革、企業買収と買収後統合などを推進している。文部科学省作業部会委員、ISLファカルティ、エクスビジョン社外取締役を務める。
更新:11月23日 00:05