2015年05月13日 公開
2023年05月16日 更新
なぜか評価される人は仕事の成果を挙げているだけでなく、「あの人ならば大きな仕事を任せられる」と周囲から思わせるだけの信頼感を得ている。では、そういう人はいったい、何が違うのか。社長・重役秘書を務め、現在はコンサルタントとして活躍する能町光香氏に、評価される人・信頼される人の「社内習慣」について教えていただこう。
<取材・構成 林 加愛>
組織で「評価される人」になるためには、まずは「評価」に対する考え方を見直すことが必要です。さまざまな企業を見てきた私の経験から言いますと、日本人は評価を「できれば避けて通りたいもの」と考えている人が多いように感じています。悪い評価が出ないよう、目標をわざと低く設定することもあるようです。しかし、これでは才能や真の可能性を発揮できず、結果として評価を伸ばすこともできません。
評価が高い人に共通しているのは、評価を「成長のツール」と見なしていることです。自分をより輝かせるための「チャンス」と考えて高く目標を定め、力を尽くす姿勢が大事です。
そこで必要となるのが、評価者である上司のフィードバックを受ける習慣です。上司と定期的に目標設定の時間を持つ、報告や連絡の際はその延長として自分の課題や改善すべき点を指摘してもらう、といった方法を積極的に取りましょう。
上司はそうした果敢さを持つ部下を歓迎します。部下が何を考え、どんな目標を持っているかを知ることで、組織にどう役立ってもらうかを判断できるからです。
このように、周囲に「仕事のしやすさ」を提供していくことも評価される人に共通する大事な一要素。周囲の人が気持ちよく働ける環境を作り出す=「心に訴える」アプローチが不可欠です。
これは、上司の立場でも同じです。たとえば、部下や後輩の声を積極的に聞くこと。それも目上としてではなく、「同じチームの一員として意見を聞きたい」と、同じ目線で語りかけるのです。そうすることで相手は、「尊重されている」という実感を得ることができます。
毎朝オフィスに足を踏み入れたときに「挨拶」と「観察」を忘れないことも大事です。一人ひとりと言葉を交わし、表情を確認しましょう。仕事が問題なく進められているか、困っていることはないかを見て取り、必要に応じて「最近調子どう?」と声をかけましょう。「あなたをきちんと見ています」という態度は、必ず相手の心に響きます。
こうした習慣を持つと、周囲に協力者が増えます。「この人のために力を尽くそう」と思ってもらえるので、仕事が格段に回りやすくなります。労せずして高い成果・高い評価へとつなげることができるのです。
自らを高めるための積極性と、周囲への気配り。私が見てきた「評価される人」は、そこをきちんと押さえているのです。
更新:11月22日 00:05