2015年05月29日 公開
2022年06月07日 更新
「新年度からは頑張ろうと思ったのに、仕事がうまくいかない」
「せっかく就職したのに、希望の部署に配属されなかった。人生、誤ったかな……」
新年度が始まって3カ月。はやくも、仕事に気持ちが乗らず、五月病をこじれにこじらせてしまっている人は、いないだろうか?
そんな人にお勧めしたい1冊が、藤堂昌恒氏の『覚悟力』(PHP文庫)である。
「がんばる個人を応援すること」を使命に、コンサルタントとして活躍する氏に、仕事も人生も好転させるための思考法をインタビューした。
――「今年こそは、次こそは」と決意しても、なかなかうまくいかないのが、仕事です。そんな心折れそうなとき、どうすればいいのでしょうか。
「ビジネスパーソンであれば誰しも、仕事上の目標を達成できずに、『今度こそ、頑張ります』と上司に決意表明をしたことがあるのではないでしょうか。中には、同じようなことが翌月も、翌々月もだらだらと続く人もいるのではないでしょうか。私自身、営業マンをしていたことがあり、そんな時期がありました。でも実は、『次こそ頑張ります』と言っている時点で、すでに負けてしまっているのです。
なぜかというと、『今度こそ頑張る』『次頑張る』という決意や決心では、仕事をする上での迷いを乗り越えることができないからです。それよりも、私は『覚悟を固める』ことの方が大事だと思います」
――決意・決心と"覚悟″の違いとは?
「一見、同じ意味の言葉に見えますが、私の考える”覚悟”は、違います。決意・決心は目の前にある一つひとつの課題に向き合う心構えにとどまります。たとえば、『仕事を頑張る』『勉強を頑張る』といった気持ちがそれにあてはまります。もちろん、その気持ちは大事なことです。
しかし、私がいう覚悟は、もう一歩踏み込んだ意味を持ちます。一つひとつの課題に対してではなく、『自分はどんな生き方をすべきか』という、その人の〝生き方″全体にかかわる心構えです。そして私の言う『覚悟を固める』とは、『自分の信念に基づいて生きることを心に決める』ことを意味するのです。
ではなぜ、覚悟の方が大事かと言うと、”働き方”を変えるには、結局は”生き方”を変えるしかないからです。よく人は、”働き方”と”生き方”を分けて考えがちです。でも本来、その2つを分けることはできません。『自分はどんな生き方をすべきか』という指針があって初めて、仕事上で自分がなすべきことが見えてくるはずなのです。
そうすれば自ずと、仕事も人生でも、必要以上に迷ったり、失敗して心折れたりするも少なくなるでしょう」
次のページ
”正解思想”にとらわれず自分の信念を最優先! >
更新:11月22日 00:05