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柴田励司の「疲れない仕事術」―プライドを手放そう

2014年12月03日 公開
2023年01月30日 更新

柴田励司(Indigo Blue代表取締役会長)

2種類の休みを使い分け仕事の生産性を上げる

 疲労を軽減するもう1つの大きな柱は、休みをコントロールすること。柴田氏は計画的に休みを確保しておき、スケジュールが仕事だけで埋まってしまうのを“ブロック”している。

 「スケジュール管理は秘書が行なっていますから、事前に休みを確保しておかないと、びっしりアポで埋められてしまいます。

 仕事の種類や質によって、休みを入れる問隔は変わります。3時間、半日、1日の単位で休みを振り分けています」

 休みを確保するのは、疲れた心身を疲れから回復させることが第一の目的だ。だが、休む目的はそれだけではない。アウトプットに反映させるための積極的な休暇もある。

 「休みには2種類あると思います。1つはVacant。自分を“空っぽ”にする休養です。何かしたくなるまで何もしません。ハンモックに横になったり、アロマトリートメントを受け、リフレッシュします。

 休暇を何もしないで過ごすことに抵抗がある人もいるでしょう。でも、情報は隙間がないと入ってきません。自分を空っぽにすることによって、入ってくる情報もあるのです。

 もう1つはRegain。“取り戻す”“回復する”という意味ですが、私は“インプットのための休み”と位置づけています。読書、運動、食事会、映画鑑賞などをする休みです。

 観たい映画や芝居があっても、計画を立てておかないと行けません。先に予定を入れておけば、予定までに仕事を終わらせなければなりませんから、生産性が必然的に上がります。

 僕はビジネスパーソンの中でも忙しいほうだと思いますが、休みの取り方を工夫しているおかげで、他人よりたくさんの映画や芝居を観ていると思います」

 休みを先取りするようになり、生産性が上がった一方、クオリティ追求の時間を制限することもあるという。というのは、クリエイティブな仕事にはキリがないからだ。疲れを溜めないためには、“割り切り”も必要だ。

 柴田氏に、「今、仕事をするうえで一番大切なことは何か?」と問うと、即座に「健康」と答える。

 「よく『家庭の一大事は仕事に勝る』と言いますよね。それは、家族には自分の代わりがいないからです。それは仕事でも同じ。

 あなたが倒れたら、いろいろな人に迷惑がかかり、それ以上に自分もまた困ることでしょう。自分のことを必要以上に大きく見せようとせず、仕事も休みもコントロールしましょう」

著者紹介

柴田励司(しばた・れいじ)

〔株〕Indigo Blue代表取締役会長

1962年、東京都生まれ。上智大学文学部英文学科卒業後、〔株〕京王プラザホテル入社。1995年、マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング〔株〕(現・マーサージャパン〔株〕)入社。2000年。同社日本法人代表取締役社長に就任。2007年に退職したのち、〔株〕キャドセンター代表取締役社長、カルチュア・コンビニエンス・クラブ〔株〕代表取締役COOなどを歴任。2010年、〔株〕Indigo Blueを設立し、代表取締役社長に就任。著書に『遊んでいても結果を出す人、真面目にやっても結果の出ない人』(成美堂出版)など。

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