2014年02月26日 公開
2023年01月05日 更新
《『THE21』2014年3月号[総力特集]より》
今回、「[総力特集]40歳から認められる人はどこが違うのか〔第二部〕」では、さまざまな業種・業態の企業10社の人事担当者に取材を行なった。その中には、人事制度の刷新を行なったばかり、あるいは、進めているところだという企業も多くあった。ビジネスの環境の変化に対応するため、社員に求めるスキルやマインドも変わってきているのだ。
詳しい取材内容は本誌でご覧いただくとして、共通する「ベテラン社員に求められるスキル&マインド」のポイントをまとめてみた。
【1】つねに挑戦を続けること
眼鏡チェーン店『JINS』を運営するジェイアイエヌのように、創業社長に率いられた企業で“挑戦”が強調されるのは、意外なことではないだろう。しかし、歴史ある大企業であっても、いまや挑戦は不可欠だ。競争環境が激化しているからだ。
たとえば、従来は強力なトップダウンによって成長してきたカルビーも、社員のチャレンジがなければこれからの成長は望めないと、評価基準を含めた人事制度を大きく変えた。
東京海上日動火災保険の場合は、保険の自由化によって競争が激しくなったことなどをきっかけに、「自ら考え、発信し、行動する」ことを社員に求めている。
長年にわたって不動産賃貸仲介業界をリードしてきたエイブルも、ここに来て再び“チャレンジ”を掲げている。やはり、競合が増え、競争が激しさを増しているからだ。
あらゆる業種・業界の、あらゆる規模の企業で、挑戦が求められている時代なのだ。
【2】当事者意識を強く持つこと
挑戦ができるか、自ら主体的に行動を起こせるかは、当事者意識の強さによる。仕事に対する姿勢の問題だ。
ジェイアイエヌ人事戦略室マネジャーの宝地戸健太氏が評価するのも当事者意識の高さだ。課題を見つけ、それに自ら手を挙げて取り組み、解決するまで粘ることは、当事者意識が高くなければできない。
当事者意識がなければ仕事に“やらされ感”を持ってしまうと、理美容室チェーン『QBハウス』を運営するキューピーネットの社長・北野泰男氏は指摘する。“やらされ感”ではパフォーマンスが上がらない。同社では、社員が当事者意識を持つための工夫をさまざまに凝らしている。
ローソンCHO(最高人事責任者)の後藤憲治氏は「意欲があれば、少々のスキル不足はカバーできる」と言う。また、チムニー人事部長の荻野大輔氏は「熱意があれば仕事はできる」と言う。この“意欲”や“熱意”のベースにあるのも、当事者意識ではないだろうか。
【3】よい影響を周囲に与えること
当事者意識や意欲、熱意といったものは、自分だけが持っていればいいものではない。管理職やリーダーという立場になれば、部下の意欲や熱意を引き出すのも役割だ。
東京海上日動火災保険では、部下の発意を引き出すことを、とくに重視している。それには、話をよく聞くことが基本だ。
チムニーでは、顧客への想いから社員が発案したことは否定せず、まずはやらせてみるという。がんじがらめに管理しないことが、部下の熱意につながる。
意欲や熱意を引き出すだけではなく、他の面でも周囲に対して良い影響を与えることが、管理職やリーダーとして評価されるポイントだ。
『QBハウス』では、店長の人柄がその店舗で働く社員に強く影響し、業績を左右するという。自然に良い笑顔ができることが、店長には求められる。
マツモトキヨシホールディングスでは、マネジメント層の社員が、それまでの経験をもとに、M&A先の企業を支えるキーマンとして活躍している。
更新:11月27日 00:05