2025年02月25日 公開

仕事の傍ら、勉強を始めようとしている社会人は多いだろう。同じ勉強をするのなら、「年収を上げる勉強法」で取り組んではどうだろうか? それを自ら実践し、現在は「日本一忙しい経済アナリスト」として活躍する馬渕氏に、その極意を聞いた。
※本稿は、『THE21』2024年2月号の掲載記事より、内容を抜粋・編集したものです。
皆さんは「年収を上げる勉強法」をご存じでしょうか? 私自身、その勉強法を実行することで、駆け出し時代の年収約260万円を、10倍近くにすることに成功しました。
信じられない人も多いでしょう。もちろん、ただ闇雲に勉強するだけではいけません。定期テストや受験のために仕方なく行なっていた「学生の勉強」から決別し、主体的な意識を持った「社会人の勉強」にシフトする必要があります。
学生の勉強と社会人の勉強の最大の違いは、社会人の勉強は「誰かのためにやるもの」という点です。勉強して得た知識と経験を活かして周りに喜んでもらうこと。これが社会人がやるべき勉強です。
では、周りに喜んでもらうために勉強すべきこととは、どんなことでしょうか。
例えば、私の肩書である経済アナリストに必要とされているのは、次のような能力です。
・ 様々な情報を大量に集め、的確に「分析する能力」
・ 積極的に情報収集を行なう「好奇心」
・ 効率良く必要な情報を「拾い上げる能力」
・ 誰にでもわかりやすくプレゼンできる「情報発信力」
・ 金融行政の担当者や経営者などにインタビューするための「コミュニケーションスキル」
・ 最新情報をすぐにキャッチし素早く活用する「判断スピード」
実はこれらのスキルは、経済アナリストに限らず、あなたが手っ取り早く年収を上げるために身につけるべきものでもあります。
では、これらの能力を身につけるには、どんな勉強をしたらいいのでしょうか。私が実践している勉強法は、主に次の4つです。
① 基礎のインプット:専門的な新聞・雑誌・本を読む
② 現場でのインプット:仕事に関連する人に会う、現場に行く、モノに触れる
③ 現場の再現:仕事現場で出会った人のやり方を真似して、真似を超える
④ 独自性を活かす:自分だけの切り口を持ち、他人に伝わるように発信する
一つずつ見ていきましょう。
まず、①基礎のインプット。基礎から何かを学ぼうとするとき、まず本を読もうと考える人が多いのではないでしょうか。
ですが、最初に読むべきものは、「雑誌や新聞のコラム」です。本から読んではいけません。
本から入ると勉強は長続きしにくいもの。本は著者によって考え方や理論が様々で、必ずしも読んだ本の理論がリアルな現場と一致しているとは限りません。そのため、実践の現場で使えず、勉強がいやになってしまいがちなのです。
一方の雑誌や新聞のコラムは、各分野のトレンド情報で構成されています。リアルなビジネスの現場に直結する情報を得ることができるので、学びの取っかかりとして最適だと言えるでしょう。そして、新聞や雑誌を充分に読み込んだ後に、本を読むのがベター。新聞や雑誌を読んでいれば、目を引く意見や専門家が出てくるでしょう。それについて、本を読むことで深掘りをすればよいのです。
次に②現場でのインプット。結果を出し続ける人は、常に現場とデータの両方を大事にしています。データ分析ばかりして現場を疎かにしていると、実態と認識が乖離してしまいますし、現場にだけ張りついていると、俯瞰的な視点が欠けがちになります。常に現場を走りながら、俯瞰してデータを分析することを意識しましょう。
例えば経済アナリストの仕事なら、経済トレンドを把握するのに、株式市場の話題が役立ちます。金融・株式市場は、実態経済より少しだけ先の未来を予想して、その期待で動くからです。
そのため、株式投資をしなくても株式の動きをチェックしている人は、ビジネスでも大きな成果を出しやすくなります。
一方で、ビジネスの「事実」「現実」は、現場にあります。ですから私は、株式市場の動向をチェックするのと同じくらい、企業取材を大事にしています。企業を訪れて人に会い、話を聞く。現場の苦悩やお困りごとをヒアリングする。
そうして実態に即した事例を豊富に分析・ストックし、そこに俯瞰の視点もかけ合わせることで、「ほかの企業ではこんな取り組みをして成功していますよ」といった提案をすることもできるようになり、それが信頼や実績につながっていくのです。
続いて、③現場の再現。学びの効率を上げるためには、一人で学ぶことに加え、「知の共有」によって学びを増幅させていく必要があります。
例えば、自分と同じ専門職の頼れる先輩や上司を「お手本」にして、考え方の手法などを真似すると、学びのスピードは飛躍的に高まります。彼らに読むべき本などを紹介してもらうのもお勧めです。成果を出している人から紹介された情報は、成果が保証されていて、無駄がないからです。
同じプロジェクトを進めている仲間も、「壁打ち相手」として頼りになる存在です。プレゼン資料なども、最初から最後まで一人で完成させるより、8割程度の完成度で仲間と共有し、違う視点からフィードバックをもらったほうが、最終的にいいものができあがります。
そうして知の共有によって学びのスピードを上げていくと、あなたの知識やスキルは雪だるま式にどんどん大きくなり、それがあなた独自の強みになります。
最後に、④独自性を活かす。あなただけの強み=独自性があると、会社の仕事以外に、副業でも収入を得ることができるようになります。
副業になり得るスキルは、エンジニアリング、マーケティングなど多種多様ですが、どの分野にも共通して必要な要素は「書くこと」と「話すこと」です。この2つのスキルがあるかないかで、収入は2倍変わってくると言ってもいいでしょう。スキルは、伝わらなければ意味がないからです。
この2つのスキルを磨くためにお勧めなのは、SNSで発信することです。
情報をコンパクトに要約する力もつきますし、どんな言葉を使えばよりわかりやすいかなど、伝える力がブラッシュアップされていきます。そうするとプレゼンのスキルにも大いに役立ちますし、内容に対するコメントをもらえれば、自分の学びも深まります。
今回ご紹介した勉強法はほんの一部ですが、この内容を参考に、皆さん一人ひとりに合った勉強法を確立していただければ幸いです。
【馬渕磨理子(まぶち・まりこ)】
1984年、滋賀県生まれ。2013年、某関西医療法人に入社後、資産運用トレーダー業務を始める。15年からアナリストに転身。現在は講演やセミナーのほか、雑誌・webでの連載でも精力的に活動中。著書に『日本一忙しい経済アナリストが開発! 収入10倍アップ超速仕事術』(PHP研究所)など。
更新:02月26日 00:05