
誰もがやってきたはずなのに、意外と教えてもらう機会がなかった「ノートの取り方」。多忙な社会人が資格試験などの勉強をする際には、この「ノートを取る」という行為をいかに効率的にできるかで結果も変わってくるはずだ。看護学生向けに様々な勉強法を紹介しているななえる氏に、実践的なノート術を聞いた。(取材・構成:前田はるみ)
※本稿は、『THE21』2024年2月号の掲載記事より、内容を抜粋・編集したものです。
私は普段、看護学生向けに勉強法やノート術などのコンテンツをSNSで配信しています。ですが、私がお伝えしている勉強法は、看護学生の勉強に限らず、社会人の方々の資格試験の勉強にも共通する部分が多く、実際には幅広い年代の方々にご覧いただいています。今回は、社会人の読者の皆さんにも参考になる勉強法をお伝えできればと思います。
私が勉強で大事だと思うのは、学んだ知識を記憶に定着させることです。教科書を読むだけで勉強した気になりがちですが、読むだけでは記憶に残りづらいものです。復習したり、学んだ知識をアウトプットしたりすることで、知識を記憶に定着させることができます。
・まとめ用ノート
・講義用ノート
・練習問題用ノート
・ミス直しノート
以上4種類のノートの作り方を、順番に解説していきます。この記事の内容を踏まえたうえで、皆さん一人ひとりに合ったノートを作り出していただければと思います。

ノートの使い道として最も多いのは、「勉強した内容をまとめる」ことではないでしょうか。ノートにまとめるという行為そのものがアウトプットになりますし、きれいに内容をまとめられていれば、教科書や動画を見返すよりも効率的に復習をすることができます。
そのために重要なのが、ノートの検索性です。あとでノートを見返したときに、何がどこに書いてあるか、すぐにわかるノートでなければなりません。
・タイトルやサブタイトルを太字で大きく書く、メリハリをつける
・要点を文章でなく、箇条書きにする
これらはノートの検索性を高めるうえで最も基本的な方法であり、実践している人も多いでしょう。
・略語や記号を使う
この方法もお勧めです。私の場合、テストによく出る箇所には(テ)と書いたり、因果関係を示すのに→を使ったりします(図①)。
この方法の良いところは、簡単に書けるうえ、視認性が高い点です。自分の中で略語や記号の意味を決めておけば、ひと目見返しただけで、過去の自分がどのような意図でそのノートを作成したのかを確認することができます。
また、同じような効果が見込める方法として、色の活用も良いでしょう。先ほどの略語や記号の例と同様に、「赤色は専門用語、緑色は重要な数字」などとルールを決めておきましょう。そうすれば、重要なワードやポイントがひと目でわかります。ただし、いろんな色がありすぎると逆効果なので、色は3色までに絞るのがお勧めです。

近年では、各種配信サービスが普及し、大人でも学生時代さながらに、「講義」を聞いて勉強できるケースが増えてきました。専門家がかみ砕いて説明してくれる講義を聞いて勉強することは、一人で教科書とにらめっこするよりは、煮詰まりにくいというメリットがあります。
一方で、次から次へと話が進んでいく中では、丁寧にノートをまとめている暇はありません。大切な情報を書き留めるのに精いっぱいで、それをきれいに整理するなんてとてもできない、という人も多いでしょう。
そこで、情報の整理されたノートを作成するコツをいくつかご紹介します。最初に紹介するのは、1ページのノートを3分割して活用する「コーネルメソッド」(図②)です。
3つの領域はそれぞれ、話を聞きながらメモを取る領域、キーワードを書き込んで復習する領域、1ページの内容を要約して復習する領域に分かれています。情報を整理しながら、最後に要約することでアウトプットもできるので一石二鳥です。
情報整理には「マインドマップ」(図③)もお勧めです。真ん中にキーワードを書いて、関連する要素を樹形図のように書くことで、情報の関連性が視覚的に把握しやすくなる方法です。これらのように、あらかじめノートのテンプレートを決めておけば、いざというときに慌ててまとめ方を模索する必要もなくなります。


練習問題を解く用のノートや、間違えた問題を復習するノートを作る際にも、テンプレートを決めておくとよいでしょう。私は、練習問題ノート(図④)を作る際は、問題の正誤とともに、解くときに自信があったか、またどこに自信がなかったのかも記入するようにしています。
同じ問題を間違えた回数を、正の字などでカウントするのもよいでしょう。いずれも、自分の苦手を可視化し、補うべき弱点を明確にする効果があります。
ミス直しノート(図④)を作るのもお勧めです。自分の回答や模範解答と併せて、ミスした理由を記入するとよいでしょう。ミスの理由を文章としてアウトプットすることで、自分がなぜ間違えたのか考える時間を、自然と確保するようになります。
言うまでもないことですが、こうしたノウハウの目的は、ノートをきれいに書くことではありません。勉強した知識を記憶に定着させることです。文字や線は多少汚くてもかまいません。あとで読み返して復習しやすいように、わかりやすく整理して書くようにしましょう。
もう一つ、私が勉強において大切にしているのは、楽しみながら勉強することです。「つまらないな」「やりたくないな」と思いながら勉強するより、楽しみながら勉強したほうがモチベーションが上がります。
モチベーションアップのためにぜひ活用していただきたいのが、文房具です。使ってみたい新しい文房具や、「このノートに書きたい」と思うお気に入りのノートなど、自分のテンションが上がるような文房具を使うのがコツです。
お勧めの文房具をいくつかご紹介しましょう。ゼブラの紙用マッキーは、水性インクのため、紙に書いても裏うつりしない優れものです。太ペンと細ペンがついているので、タイトルやサブタイトルの強調にも使いやすいです。
ノートならキャンパスの大学ノート。「紙質がいい」と海外でも話題になっています。ずっとノートばかり使っていると飽きてしまうこともあるので、言葉やキーワードの暗記用に単語帳を活用するのも手です。パッパとめくる動作が加わることで、気分転換にもなります。
また、普段使っている文房具も、いつもと違う使い方を工夫してみると、勉強が楽しくなることがあります。例えば、蛍光ペン。線を引くだけが蛍光ペンの使い方ではありません。チェックボックスを作ったり、強調したい文字を囲んだり、TODOリストで完了したタスクを塗りつぶしたりするのに使えば、見た目も華やかになりテンションが上がります。
ふせんは、テキストのインデックスとして使うのが一般的だと思いますが、ノートに貼ればカラーボックスとしても使えます。ノートの白地とは違う色の背景に文字を書くことで、「ここがポイント」とわかりやすくなります。彩りと動きも加わり、マンネリ化を避けられます。最近は、半透明のふせんも登場しています。
図やイラストを描くのが苦手な人は、半透明のふせんの上から教科書の図やイラストをなぞり書きし、それをノートに貼れば、ノートに自分の描いた図やイラストを入れることができます。
これらの文房具は、必ずしも使わなければならないものではありませんが、勉強のモチベーションを高めたり、視覚的にわかりやすくするために、活用してみてはいかがでしょうか。いろんな勉強法を紹介してきましたが、その中で一つでも読者の皆さんの興味を引くものがあればいいなと思っています。気持ちを前向きにする勉強法を試してみてください。
【ななえる】
「あたまに残る勉強法」や「かわいく見やすいノート術」を紹介するYouTubeチャンネルは登録者13万人を超える。
インスタグラムでは看護学生向けに勉強法や実習のコツを発信し、14万人以上のフォロワーから支持を集めている。
また、看護学生のための勉強・実習サポートサイト「看護過程ドットコム」を運営。
著書に『ななえるの看護学生のための看護実習記録書き方BOOK』(日本文芸社)、『看護学生のための実習報告 スゴ楽テンプレ集』(メヂカルフレンド社)がある。
更新:02月01日 00:05