朝は、1日の活動を始める前に、自分の心と身体を整える大切な時間帯。食事や運動以前に、朝の時間をていねいに過ごすことで、その日の活動が充実するのだ。『THE21』2024年8月号では、「白湯」や「瞑想法」についての著作も多い医学博士の蓮村誠氏に、朝、目覚めてから取り入れたい3つの活動について聞いた。
※本稿は、『THE21』2024年8月号特集「50代からの『肉体改造』入門」より、内容を一部抜粋・再編集したものです。
皆さんは、毎朝、目を覚ましてから、どのような時間をお過ごしでしょうか。顔を洗ってまずコーヒーを一杯飲む。布団の中でスマホを手にしてメールやニュースのチェックなどを始める。色々な方がいると思います。今回、私がご紹介しようと思うのは、心身を健やかに保つために毎朝の習慣に取り入れてほしい3つの朝活です。
ただ寝て起きて、だけでは、朝の身体は整っていない状態です。朝、寝床で目を覚ましたら、それから5分から10分程度、そのまま布団の中で静かにゆったりとした気持ちで過ごします。
そのときに思い描いてほしいのが、「その日、自分が受け取るであろう『良いこと』を、事前に受け取る」というイメージです。今日、自分が自分自身のため、そして他者のためにできることを思い浮かべ、そのことで得られる喜びの感情や感謝される姿を具体的にイメージします。
人は、このように「喜び」の感情から1日をスタートすると、その日1日を心地良く過ごすことができます。これを私は「達成を受け取る時間」と呼んでいます。ぜひ、皆さんにも明日から試してほしいと思います。
その時間を過ごしたら、次は布団から出て洗面所で顔を洗って歯を磨きます。こうして、まず身体の中から綺麗にしていきます。このときは、ぜひ「舌磨き」も取り入れてみてください。舌は歯ブラシでゴシゴシこするのではなく、タングスクレーパー(金属製のへら)を使えば、舌の苔もきれいに取ることができます。
次にしてほしいのが、「白湯」を飲むことです。白湯は、心と身体を温めて代謝を良くし、消化力を高めてくれる、素晴らしい飲み物です。飲むだけですっきりとやせたり、お通じが順調になったり、吹き出物が消えたりします。しかも、お湯を沸かすだけでできてしまうので、ほとんどお金もかかりません。
白湯の作り方や飲み方には諸説ありますが、私がお勧めしているのは次の方法です。
まずやかんや鍋で、きれいな水を沸騰させます。このときの鍋はできれば銅製が良いでしょう。貧血気味で鉄分を補給したい女性であれば鉄鍋でも良いです。水は、水道水でも浄水器を通した水でもかまいませんが、結構味に違いがあるので、いくつか試してみて自分の好みの水を見つけると良いでしょう。
湯が沸いたら、換気扇を回して鍋のふたを開け、そのまま火を弱めて火にかけ続けます。湯量は徐々に減っていきますが、それは気にしないで大丈夫です。10~15分火にかけたら、白湯の完成です。熱いまま、息をふうふう吹きかけ、すするように少しずつ飲みましょう。
飲む量は、朝目覚めてからと、昼と夜の食事中にコップ1杯(約150cc)ずつ。5~10分かけてゆっくり飲み切ってください。あとは食事と食事の間に一口ずつ飲む程度。1日で800ccをめどにしてください。健康に良い白湯ですが、飲み過ぎも良くありません。
白湯を飲んでお腹の中が温められたら排泄が促されます。朝一で出ていなかったら、ここで排泄をして、お腹もスッキリさせましょう。このとき、時間が許すならば、シャワーや入浴で、身体全体を清めても良いでしょう。
白湯を飲んだら、次にしてほしいのが「瞑想」です。
瞑想による恩恵は計り知れません。心と身体に深い休息が得られるので活動の質が抜群に良くなります。日常で受けているストレスや、劣等感や不安感が軽減し、自分に自信が湧いてきて、物事に対して肯定的になれます。多くの有名経営者が、生活の中に瞑想を取り入れているというのもうなずけますね。
瞑想というと、座禅を組んでヒーリングミュージックをかけて、と色々な方法がありますが、今回は、簡単に行なえる瞑想法をご紹介しましょう。
まず姿勢は、床にあぐらをかいてでも、背もたれのある椅子に座ってでも結構です。ただ、横になるのではなく、上半身は起こした姿勢で行なうようにしてください。部屋はわざわざ暗くしなくても結構です。そして、静かに座って楽な姿勢をとったら、そのまま1分間、目をつぶります。
そして1分経ったら、次に「アー」「イー」「ウー」「エー」「オー」と、「アイウエオ」の5音をゆっくりていねいに心の中で微かに思います。これを5分間繰り返しましょう。このとき、雑念が頭に浮かんでも、落ち着いて「アイウエオ」に戻り、心身の中で5音を響かせることに心を傾けます。
その後、そのままの姿勢で目をつぶります。心が落ち着いたら目を開けてください。この時間を過ごすことで、世界がより明るく感じられ、理想的なかたちで1日を開始することができるようになります。
最初はこの瞑想の「1分」「5分」「1分」は近くに置いた時計を見ながらになると思いますが、慣れてくると時計を見ずともだいたいの感覚で行なえるようになります。この瞑想は、朝だけでなく、夕方の時間、できれば日の沈む時間までに行なうこともお勧めです。
この「達成を受け取る時間」「白湯」「瞑想」を終えたら、本格的な活動のスタートです。軽く運動をしても良いですし、朝食を食べ始めても良いでしょう。私は、健康のために、10分程度をかけて、腕立て伏せ、腹筋、スクワットなどを行ない、その後、2度目のシャワーを浴びることを習慣にしています。
皆さんも、朝のルーチンに取り入れ、心と身体が喜ぶ1日を過ごすようにしてください。
さらに詳しく、蓮村氏の瞑想法(K-PVT)を知りたい方はこちらまで
一般社団法人コトハ・インテグラルリサーチ
https://kotoha.or.jp
更新:01月18日 00:05