2023年09月05日 公開
さてこの「私任せ主義」、住み替えでは幸いしましたが、かつては「家事分担の不平等」という、大きなストレスのモトでもありました。
若い世代はともかく、50代夫婦の場合、「家事は妻がするもの」という価値観がまだまだ根強いと思います。我が家も御多分にもれず、共働きでも家事は私の役目でした。
仕事から帰ると、先に帰った夫がテレビの前に陣取っていることも数知れず。それを横目で見つつ不機嫌に夕食の用意をする私と、その不機嫌を感じ取って黙り込む夫、という図が、長年の日常風景となっていました。
住み替えを機に、その生活を変えることにしました。これまでは料理・掃除・洗濯、何をするにも「どうせ私がやったほうが早い」と決めつけていましたが、それはある意味、家事に慣れた者の傲慢です。
今後体力が衰えていくなか、何でも一人でこなそうとするのは無理があります。ですから「○○できないから助けて」と言う、つまり「甘える」ことを始めたのです。
「助かる」「有難い」という気持ちを前面に出しつつ協力を仰ぐこと6年、夫の家事スキルは飛躍的にアップしました。
家が小さくなって家事の難易度が下がったことも追い風となり、今は服を脱ぎ散らかすこともありません。自ら「これは洗濯機、これは手洗い」と分類してくれますし、週に1度は夕飯もつくってくれます。日々のコミュニケーションも、格段に和やかになりました。
もう一つ、小さな家のいいところは、別々のことをしていても互いの気配を感じられることです。私はダイニングにいて、夫は和室(もとい、畳を敷いた小上がりスペース)でゲーム、と好きに過ごしつつも、互いが視界に入っているのです。そんな安心感も、この家で新たに得られたものです。
更新:11月21日 00:05