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子どもの独立後に平屋を建てた50代夫婦...「住み替え」で得られた生活とは

2023年09月05日 公開

Rin(シンプルライフブロガー)

老後 住み替え

子育てが終わる人が増えてくる50代。子どもが独立して自宅のスペースを持て余したり、子育てパートナーとして過ごしてきた関係が変わったりする夫婦も多いだろう。

50代でコンパクト平屋に住み替えた人気ブロガーのRin氏は、「住み替え」で得られた夫婦円満生活について語る。

※本稿は、『THE21』2023年10月号特集「50代で必ず整理しておくべきこと」より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

子どもの独立を機に「整理」を学び始めた

ケアマネジャーとして働きつつ、私生活では2015年より、我が家の「シンプルな暮らし」を紹介するブログを営んでいます。

現在、暮らしている家は郊外の平屋。広さ60平米、2DKのコンパクトな家です。2LDKのマンションからこの家に住み替えて6年になりますが、50代後半という年齢に合った、快適な環境を得られたと実感しています。

――と言いましたが、ここに至るそもそもの始まりは、快適どころか「中年の危機」に近いものでした。

きっかけは、子どもの独立です。娘は専門学校進学とともに都内で一人暮らしを始め、そのまま就職、結婚。「もうこの家に戻ってくることはないのだ」と思ったとき、私が感じたのは強い寂しさでした。

子育てという大仕事を終えたことが、「第一線」を退いたかのような空虚感につながったのです。世に言う「空の巣症候群」と、おそらくは更年期も重なって、気の抜けたような状態になってしまいました。

そんな私を案じた娘に「何か、好きなことでも始めたら?」と勧められましたが、長年、仕事と家事と子育てに明け暮れてきた身には「好きなこと」と言われてもピンときません。

しかし、「習い事」ならできるかも、と思いました。興味のあることを学ぶことで、新しいやりがいが見つかりそうだ、と。折しも、仕事では現場のプレイヤーからマネジメント側に回り、時間の余裕ができた時期でした。

そこで休日に、「整理収納アドバイザー」の資格をとるための講座に通い始めました。

もともとインテリアや雑貨は好きでしたが、それらを「どう選び、配置するか」といった知識はゼロ。室内は雑多なものであふれ、家事労働のストレスも重なっていました。

一度きちんと理論を学べば、その問題解決にも役立つだろう、と考えたわけですが、その効果は、予想をはるかに超えていました。

講座を通して学んだのは、「モノの整理とは何ぞや」という本質です。それは「何が大事で、何が大事でないか」を見極め、大事なモノ以外を手放すことでした。

これまで漫然とため込んだものを処分したことで、家の中が変わりました。モノが少なくなると思考も整理されるもので、不必要な用事に時間を費やすような、無駄な行動も減りました。

整理の過程をブログで発信し始めてからは、読者の皆さんの温かい反応が日々の励みに。気がつくと、かつての無気力はすっかり消え失せていました。

 

「50代の暮らし」に広さは必要ない

50代 間取り

こうして「何が大事か」に日々目を向けるうち、浮かんできたのは「どんな生活をしたいか」「その生活を今できているか」という疑問です。

夫婦二人の生活に、2LDKの部屋数は必要なのか。20数畳のリビングは広すぎないか。6人掛けのテーブルも、子どもの友人たちがよく遊びに来た頃ならともかく、今はもう要らないのでは...。

広すぎる家は家事動線が長く、大ぶりな家具は手入れに手間がかかります。その体力的負担が徐々に増えている、と気づいたとき、「住み替え」を思い立ちました。

通常、50歳頃と言えば「リフォーム」を検討する方が多いと思います。しかし我が家の場合、リフォームでは「広すぎる問題」は解決しませんし、希望をすべて盛り込むとめっぽう高額になることも判明。

同じお金を使うなら、より「今の自分たち」にフィットする住まいを一からつくったほうがよいと考えました。

こうして、3駅ぶん郊外に移った場所にある小さな土地に、平屋を建てて移住。旧居の売却に際しては、有難いことに10年前の購入時よりも物件価格が上がっていて、「理想の新居」を実現する助けとなりました。

ちなみに、住み替えでは夫婦の意見がぶつかることが多いと聞きますが、我が家はいたって平和でした。というのも夫は、家のことは私に一任する主義。売却、土地購入、家づくりに至るまで私の判断を尊重してくれて、スムーズに進められました。

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