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終身雇用は望んでいない...Z世代に見放される「旧来型企業」の特徴

山本真司(立命館大学ビジネススクール教授)

 

「Z世代の登場」がチャンスとなる

しかし、今はピラミッド型組織の会社でも、フラット型組織への変化がいやおうなしに進もうとしている。その理由こそが、「新世代の登場」。いわゆる「Z世代」と呼ばれる若者たちの社会進出だ。

彼らは、これまでの世代とは異なり、より多様な価値観やスタイルを持ち、自分たちのアイデンティティを大事にする。また、いわゆる「デジタルネイティブ」であり、新しい技術や情報を熟知している。

彼らの期待に応えるには、従来の旧来型の組織や人間関係を見直し、新しいアプローチを取ることが必要だ。いわば、ピラミッド型組織からフラット型組織への変換だ。そうしなければ、若手はすぐに会社を去っていってしまう。

例えば、新世代は従来の終身雇用など求めていない。ワークライフバランスなどは当たり前すぎて、意識することもない。彼らが求めるのは、フレキシブルな働き方や、意欲・能力に基づく報酬制度など、個人の成長と幸福度を追求できる環境だ。

しかし、これは考えようによってはチャンスである。新世代の登場が、従来の企業文化やシステムを改善するきっかけになるからだ。それはビジネスや社会にとってプラスの要素をもたらし、革新的な仕組みの創造につながるだろう。

私たちは、新しい世代の登場をチャンスとして捉え、より前向きに個別のアプローチを導入していくことで、社会進化を促進することができるのだ。

 

オーケストラから「ジャズ」の時代に

ここでご紹介したい言葉がある。それが「ジャズ型組織」である。

ジャズは即興演奏であるインプロビゼーションを基軸とした音楽であり、指揮者の元で一糸乱れぬ演奏を行うオーケストラと対照的に、チームメンバー一人ひとりが自分で考えて、即興的な演奏を行うところに特徴がある。

つまり、ジャズ型組織とは、一人のリーダーの指示に従って作業をするのではなく、誰もがアイデアを出し合い、融合させるような組織のことを指す。

ジャズ型組織では、組織内の全ての人々が思考しながら役割や立場を超えて情報やアイデアを共有する。また、アイデアやトライに対してのアドバイスやフィードバックを、あらゆる人から受け取ることもできる。これによって、チームワークとリーダーシップが両立し、組織力が高まるのだ。

ピラミッド型組織の会社でも、今後はこうした変化がいやおうなしに訪れることになるだろう。

 

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