休憩に関しても、誤解や間違いが多々見受けられます。まず、休むことへの罪悪感を捨てましょう。集中力維持のためには、こまめな休憩が不可欠です。60~90分ごとに、10~15分の休憩をはさむ、というリズムを意識しましょう。
そしてもう1つ改めるべきは、「疲れたら休む」という発想です。最新の研究では「疲れてから休憩しても、活動前のレベルまでは回復しない」ことがわかっています。疲れてからでは、たとえ1時間休んでも、体力や集中力は最初の状態には戻らないのです。
したがって、「疲れたら休む」を繰り返せば繰り返すほど、集中レベルはどんどん目減りしていきます。「疲れる前に休む」を徹底しましょう。
休憩中にも落とし穴はあります。この時間にスマホを見ると、休息は台無しになります。脳の作業の8~9割は、視覚情報の処理に充てられます。仕事中にPC画面や資料を見て、さらに休憩中までスマホ画面を見ていたら、目も脳もさらに疲れ果てます。
長時間のスマホは「物忘れ」の原因にもなります。ボーッとする時間を持たないと、脳は情報を整理する余裕がなくなり、記憶が定着しない。物事を覚えられなくなるのです。この「スマホ認知症」を防ぐためにも、休憩中は別のことをしましょう。
例えば、周りの人とコミュニケーションを取ること。それも仕事と無関係な、たわいない雑談がベストです。仕事モードをいったん離れる→また戻る、と緩急をつけることで、集中力は格段に高まります。
前述の通り、集中力は朝~午前中が高く、午後以降は下がります。人によっては、昼頃に眠気が出ることもあります。その場合は、ランチ後に20~30分ほど仮眠をとりましょう。
1日30分以下の仮眠には、心臓病やアルツハイマー病のリスクを下げるなど、高い健康効果があります。ただし、1時間を超えると健康効果はむしろ下がり、脳の働きも悪くなります。
ですから、仮眠を取るならあくまで短めに。1~5分でも回復効果はありますし、眠らずに目を閉じるだけでも有効です。光を遮断することで、脳の興奮を鎮められるからです。
ちなみに私はよく、目薬をさしたあと、こぼれないように上を向き、目頭を押さえて1分なじませる、という方法を取ります。わずか1分で簡単にできる、お勧めのリラックス法です。
更新:02月16日 00:05