いくら少ない元手で始められるといっても、頭金があるに越したことはありません。出費の見直しも重要です。
例えば、お子さんがいるなら、教育費を再検討することをお勧めします。教育費というと大半の人は大学進学までを想定しますが、難関大学ならともかく、ランクの低い大学に高いお金を払って卒業させても、就職が有利になるとは思えません。
それなら我が子の才能や適性を見極め、専門学校への進学や就職・起業を選ばせたほうが、子どもの将来の面でも資金面でも良いのではないでしょうか。
一方で、老後資金を確保するには、合法的な節税手段を抜け目なく利用することも重要です。
まず検討したいのはiDeCo。ただ、会社員は最大でも月2万3000円までしか掛けられないので、NISAも組み合わせて利用すると良いでしょう。
副業をしている人なら、個人事業主として登録すれば、倒産時に備える経営セーフティ共済や、積立退職金制度の小規模企業共済にも入れます。
これらは、掛金が必要経費として計上できたり全額所得控除を受けられたりするので節税になりますし、長く加入していれば掛けた分だけ解約返戻金も戻ってくる。使えるものはフル活用しましょう。
【午堂登紀雄(ごどう・ときお)】
株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズ代表取締役。1971年、岡山県生まれ。米国公認会計士(CPA)。中央大学経済学部卒業。会計事務所などを経て、戦略系経営コンサルティングファームのアーサー・D・リトルへ。多忙な本業のかたわら不動産投資を始め、1年で3億円の資産形成に成功。現在は起業家兼個人投資家としての活動に加え、講演や執筆活動も行なっている。『人生の正解をつくるお金のセンス』(技術評論社)など、著書多数。
(『THE21』2023年4月号特集「定年後ずっと困らない『お金の安心』を手に入れる方法」より)
更新:11月24日 00:05