2022年09月05日 公開
2023年02月08日 更新
――紙の書類や資料も数枚程度ならスキャンできますが、そうもいかないのが紙の本です。佐々木さんは本をたくさんお読みになっていると思いますが、どう管理されているか教えていただけますか?
【佐々木】僕の場合、紙の本は読み終えたら重要な部分だけを資料としてクラウドに置いています。読みながら重要な部分に付箋を貼っておき、あとでその部分に書かれている内容をまとめたメモをパソコンで作成し、クラウドのメモアプリに保存しておくのです。
一言一句正確に書き写すわけではありませんが、タグ付けして保存しておけば、あとで「確かあの本にあんなことが書いてあったな」と思い出したときに、検索して引っ張り出せるので便利です。ちなみに僕は「Bear(ベア)」というメモアプリを使っています。
――紙の本を全部電子化したりはされないのですか?
【佐々木】紙の本を断裁してスキャンする「自炊」も一時やっていましたが、あれって面倒ですよね。また、日本語のOCRは読み取り精度が不十分なこともあり、あとから検索しにくいことが多いんです。
そもそも全文を残しておく必要もないだろうと考えて、必要な部分だけメモ書きで残すのが効率的だという結論に至りました。
――本棚にもたくさん本を置いていらっしゃいますね。
【佐々木】紙の本のいいところは、「たしかあの本にあんなことが書いてあったな」と思い出して、本棚から本を手に取ってその部分を探していると、他の部分が目に入って、「あ、こんなことも書いてあった」と新たな発見があったりするところ。
電子書籍は場所を取らないし、持ち運びや検索に便利ですが、紙の本には紙の本の価値があるので、それをゼロにするという選択肢は難しいかなと思います。古い本や中小出版社の本だと、電子化されていないものも結構ありますし。
――本棚はどこに置いていますか?
【佐々木】本については、分散させると引っ越すときに大変なので、東京に集約しています。5本の本棚に2000冊くらいあって、これに入り切らない本は3カ月から半年ごとに処分するようにしています。
――どんな基準で処分されていますか? 例えば電子化されているものは再入手可能だから処分対象とか。
【佐々木】それはありますね。あとは、たくさん出回っていて、今後も何らかの形で手に入りそうなものは処分します。逆に、資料として貴重な本は残しますね。
例えば、文庫本のサザエさん全巻とか(笑)、80年代後半の風俗を描いた本とか。好きな本を残すというよりも、資料として価値のある本を残しています。
――本棚に残した本は、どのように分類されていますか?
【佐々木】僕はそれほどきっちりとは分類していません。僕の場合、本を書くための資料として読む本が多いのですが、「2012年に書いたあの本の資料はこのあたりにある」というくらいのざっくりとした分類です。
資料をデータ化するときと同様に、きっちり体系立てて分類しようと思うとかえって破綻しますし、本棚5本くらいなら、これくらいのざっくりした分類でも苦労せず本を探し出せます。
――仕事関連の文書やアイデアの整理・管理についてもお聞かせいただけますか?
【佐々木】仕事関連のアイデアや文書、原稿はすべて前出のBearというメモアプリを使って書いています。このアプリのいいところは、1ファイル1文書ではなく、1つのファイルにすべての文書が集約されているところです。
仕事内容ごとに項目を分けてファイルを作成しておけば、関連するアイデアや原稿はすべてそのファイル内で一覧できます。
例えば僕は毎朝Voicyで話していますが、「Voicy」の項目のファイルには過去に話した内容の見出しが全部入っていて、「明日何を話そうかな」と考えているときに、過去に話した内容をさかのぼって確認できます。
クラウド上なのでスマホでも見られます。自宅でもどこでも作業できるのもいいですね。
――いろんな仕事を抱えていらっしゃると思いますが、次々とやってくるタスクはどのように整理しているのでしょう?
【佐々木】Microsoft To Doというタスク管理ソフトを活用しています。仕事だけでなく、眼科の診察や買い物リストなど、すべてのTo Doをここに放り込んでいます。
覚えておかなきゃいけないものを頭に置いておくと、それが気になって仕事に集中できません。タスクリストに書き出しておけば、頭で覚えておく必要がないので気が楽ですね。
更新:11月24日 00:05